いわき市議会 > 2007-03-09 >
03月09日-06号

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  1. いわき市議会 2007-03-09
    03月09日-06号


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    平成19年  3月 定例会           平成19年3月9日(金曜日)議事日程 第6号 平成19年3月9日(金曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問        ------------------本日の会議に付した事件         〔議事日程第6号記載事件のとおり〕        ------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  岩井孝治君      14番  根本 茂君     15番  木田孝司君      16番  酒井光一郎君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  塩田美枝子君     20番  安部泰男君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  古市三久君      24番  樫村 弘君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  大間守光君      32番  佐久間 均君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)        ------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   助役         村田文雄君 助役         高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   緑川幹朗君   教育長        砂子田敦博君 代表監査委員     駒木根登志男君 選挙管理委員会委員長職務代理者                               小松英昭君 農業委員会会長    草野弘嗣君   総務部長       猪狩正利君 企画調整部長     鈴木英司君   財政部長       陸川克己君 市民生活部長     荒川喜一君   市立病院部長     鈴木正一君 環境部長       上遠野洋一君  保健福祉部長     仲野治郎君 農林水産部長     高木直昭君   商工観光部長     若松勇四郎君 土木部長       高島信夫君   都市建設部長     佐藤 廣君 下水道部長      佐々木 仁君  消防長        木村 清君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 監査委員事務局長   渡邊義典君   農業委員会事務局長  坂本公男君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君   秘書課長       増子裕昭君        ------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課主幹(兼)課長補佐                               太 清光君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       齊藤 学君 主査         千葉恭子君   主査         加藤高明君 主査         早水孝太郎君  事務主任       矢内邦彦君           ------------            午前10時00分 開議 ○副議長(鈴木利之君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第6号をもって進めます。        ------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 △森田ミエ子君質問 ○副議長(鈴木利之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。4番森田ミエ子君。          〔4番森田ミエ子君第二演壇に登壇〕 ◆4番(森田ミエ子君) (拍手)おはようございます。4番、いわき市議会論政会、森田ミエ子です。ただいまから通告順に従い、一般質問をさせていただきます。 2006年の世相をあらわす漢字は命でした。教育再生会議の発足に合わせるかのように、いじめが原因とされる子供の自殺が相次ぎ、頑張ることに疲れました。いじめられて、これ以上生きていけません。それぞれ遺書を残し、遺書の一文字一文字を両親や家族の顔を思い浮かべながら、どんな気持ちでしたためたのか。本来は楽しいはずの学校生活、かけがえのない命をみずからの手で終止符を打つような社会をつくった責任は、少子化を憂うより、安心して子供を産み育てられる社会の構築、子供を取り巻く社会的環境の整備こそ、今、大人に課せられた大きな課題だと思います。 命の大切さ、心の教育、次の世代を担う大切な人材の育成、人として責任と義務が自覚できる心の教育こそ社会の安心・安全の確保の第一歩、その原点が教育だと思います。そこで、以下、いわき市の教育行政について御質問させていただきます。 まず、大きな第1点が、小・中一貫教育導入について。 私、昨年、東京で小・中一貫教育を行っておる三鷹市の西三鷹学園、品川区の日野学園を視察いたしました。品川区の日野学園では実際の授業風景、放課後学童保育の子供の生き生きとした様子を見てまいりました。品川区では平成19年度より区内全域で一貫教育を導入、しかも子供が学校を選べるということに、日本教育の将来像をかいま見た思いの視察でした。 そこで、当市が平成19年度から小・中一貫教育を導入し、9年間の一貫した教育課程遂行を実行するに当たり、教育目標の基本方策をどのように設定されたのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 児童・生徒の確かな学力、豊かな心、健やかな体をはぐくむためには、義務教育9年間を通して、子供たちのそれぞれの発達段階に応じたきめ細かな学習指導や生徒指導に取り組むことが必要であり、そのために、小・中学校間の円滑な接続を図り、一貫したカリキュラムによる学習を積み重ねることが大切であると考えております。 そこで、中学校区を単位とする小・中学校連携と併設校による小・中学校一貫教育・連携教育の2つの方策によりまして、各学年が9年間の一貫した教育に取り組むとともに、併設した小・中学校による小・中学校一貫教育連携教育推進会議を設定いたしまして、児童・生徒の交流や小・中学校の教員の交流を積極的に進めてまいる考えであります。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その一貫教育の導入のメリットは何かをお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 教員の専門性を生かし、中学校教員が小学校で、小学校教員が中学校で指導するといった小・中交流による指導体制が充実するとともに、ティーム・ティーチングによる指導が可能となります。さらには、小学校と中学校の交流や体験活動により、豊かな人間性と幅広い社会性をはぐくむことができるようになると考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) いわき市には小学校74校、中学校44校ございます。その中で、小白井・川前・石住・貝泊のあえて4校を選んだ理由は何かお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 選定した理由につきましては、1つには、小学校1年生から中学校3年生までの児童・生徒の実態を踏まえた指導が可能であると考えたこと。2つには、複式学級を有するなど小規模学校であること。3つには、教員の移動が安全かつ短時間にできて、合同会議の設定や校務の分担など、体制づくりが容易であることなどを基準といたしまして、総合的に判断し、推進校として選定したところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、今後の教育行政を長期的展望に立って考えたときに、今回の一貫教育導入に当たり、地域性や学校の規模等にも配慮して選定すべきではなかったのかと思いますけれども、御所見をお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 規模が大きい学校や学校間が離れている場合は、教員の相互交流を計画する段階で、時間割や日課表の調整、さらには、教員の移動方法等において課題がありますので、地域性を考慮しながら、隣接する小規模校から実施してまいりたいと考えたところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、その運営組織の構成はどのようになさるのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小・中学校の連携を深めるためには、組織を1つとした体制づくりが重要であると認識しております。各学校の実情や地域の実態に応じて、可能なものから運営組織も共通なものになるものと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、トータルした9年間の教育課程の中で、そのカリキュラムの編成はどのようになるのかお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) カリキュラムにつきましては、小・中学校間で協議を進め、学校行事や体験活動の計画は可能な限り小・中学校が共通で実践できる内容とし、教科の計画は、現行の学習指導要領に沿った内容になるよう小・中学校がそれぞれに編成することになります。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、今回の一貫教育導入に当たりまして、そのメリットが検証されれば、今後のいわき市の教育行政は一貫教育の方向を目指すのか、今後の指針についてお伺いいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小・中学校の一貫校への対応は、平成19年度からの小・中学校連携推進事業の成果等を踏まえながら、モデル的な取り組みをしている学校も参考とし、今後、研究してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、次に、英語教育についてお尋ねいたします。 いわき市においては、過去2年間、各小学校英語教育モデル校として実施してまいりました。21世紀の国際社会を担う子供たちへの英語教育の導入は非常に大事なものと私は思っております。特に、子供の成長段階においては、言語取得能力がすぐれており、早期教育は大切です。外国語に接することにより、言葉を通じて異文化や民族に接し、寛容な心を養うことができる等、成果は大きなものがあるのではないかと期待いたしております。 そこで、いわき市は過去2年間、モデル校で学習を進めてまいりましたが、その検証をどのように見ているのかお尋ねいたします。
    ◎教育長(砂子田敦博君) モデル校6校における実施結果につきましては、各校からの実践報告や授業参観及び授業研究会での協議、また、小学校英語科実態調査アンケート等によりまして、その成果を把握しておるところでございます。その中で、英語の授業が楽しいと答えている児童が圧倒的でございます。また、ほとんどの保護者が、小学校で英語教育を行うことを望ましく思っているという感想が聞かれたところでございます。 これらのアンケート結果から、英語に触れ、親しむ、なれながら、初歩的なコミュニケーション能力の育成を図るという、本市小学校英語科のねらいのもとに、本事業が着実に成果を上げているものと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、市内公立小学校74校の英語科導入に当たり、実施まで残り数日となりました。実現に向けての進捗状況はどのようかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 平成19年度から市内の全小・中学校におきまして、学級担任と外国語指導助手とのティーム・ティーチング等による授業を行う予定でございます。学習内容につきましては、低学年では、簡単なあいさつ等を用いたコミュニケーション活動を通して、先ほど申し上げました英語に触れることを目標に、中学年におきましては、基本的な英語表現を用いた活動を繰り返すことを通しまして、英語に親しむことを目標にしておるところでございます。また、高学年につきましては、日常の生活場面に応じた英語活動を通しまして、英語になれることを目標しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、モデル事業においては、ティーム・ティーチングによる授業が展開されておりました。小学校全校導入となると、指導者の数もそれ相当になると思います。74校実施の指導者の確保はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小学校勤務外国語指導助手、いわゆるALTでございますが、平成18年度のモデル校の6名から平成19年度には21名に増員いたしまして、市内を6地区に分け、8基幹校に配置する予定でございます。その基幹校から各小学校を学級数に応じて、週1日から3日訪問するという計画を組んでおるところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 英語教育導入に当たり、本来、日本人としての言葉の基礎である日本語、文化・伝統・読み・書き等、日本人として誇りを持てる人間形成の教育、しっかりした母国語の教育は確保できる体制にあるのか。 大江健三郎さんがあいまいな日本人という表現をしておりますが、英語教育導入とともに日本語教育、日本人としての基本的教育体制の確立は維持できるのか御所見をお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 小学校へ英語科の授業が導入されましても、国語科の授業時数は導入前と同じ時数を確保いたします。各学校におきましては、国語科の授業はもちろんでございますが、各教科で読解力や表現力を身につけさせる授業に日々取り組むなど、学校の教育活動全体を通して、国語の授業をおろそかにすることがないよう配慮してまいりますが、とりわけ母国語の乱れが指摘されております時代でもございますので、何よりも母国語を育てることがあって外国語を学び、外国語の文化に接することが可能である、そのような基本的な認識に立って英語の学習を取り入れてまいりたいと考えているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、読書活動についてであります。 いわき市においては、子供の成長に応じた読書習慣を体得し、自主的な読書活動の環境の整備を目指し、平成17年3月にいわき市子ども読書活動推進計画を策定いたしました。その推進計画の進捗状況はどのようかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) いわき市子ども読書活動推進計画におきましては、子供たちが家庭や学校、地域等において日常的に本と出会い、読書に親しむことができるような機会の充実と環境づくりを進めるため、子供たちの発達段階に応じたさまざまな取り組みを行うこととしております。 このうち、平成18年度に実施いたしました主な取り組みについて申し上げますと、まず、ブックスタート事業といたしまして、10カ月児健康診査会場における図書館職員による絵本等の紹介や読み聞かせ、また、絵本の読み聞かせの重要性を啓発する内容を盛り込みました母子健康手帳の配布などを実施しております。このほか、市立の小・中学校全校における朝の読書活動、各図書館におけるおはなし会や手づくり絵本教室などの子供向けの事業を実施しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) その成果をどのように検証なさっているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) ブックスタート事業を初めとする各種事業に参加された皆様から、会場で展示したお薦めの絵本の中に気に入った本を見つけたので購入してみようとか、子供が興味を示したので自宅でも読み聞かせをしてみよう、さらには、子供が生まれる前から絵本に触れるよい機会となり、読み聞かせや読書の重要性についての理解が深まったなどとの多くの感想をいただいております。また、各地区図書館におけるおはなし会への参加者がふえているなど、平成18年度の取り組みとしては一定の成果があったものと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 市内各学校の蔵書総冊数はどのぐらいかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成18年度の蔵書冊数でございますが、市内小学校の蔵書総冊数は50万9,482冊、市内の中学校の蔵書総冊数は30万8,572冊でございます。 ◆4番(森田ミエ子君) その蔵書達成率はどのぐらいになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 文部科学省で設定しております学校図書館図書標準から見た蔵書達成率につきましては、平成18年度、小学校は92.8%、中学校は76.0%、小・中学校全体では85.7%となっております。なお、蔵書達成率は年々増加傾向にございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 本年度の県内図書館白書によりますと、県内の高校生を対象の調査でございますが、1カ月に1冊も本を読まない生徒は、男子が59.7%、女子が52.2%、本を読まない数は3年連続増加傾向にあるという結果が出ております。 読書は、小さいときからの習慣も大切と存じますが、読書活動を推進しているいわき市においては、市内児童・生徒の1カ月の読書冊数はどのぐらいなのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市におきましては、全校一斉の読書活動が定着し、子供たちの読書に対する主体的な取り組みも見られるようになりました。児童・生徒1人当たりの1カ月の平均読書冊数は、平成17年10月の調査では、小学校が6.3冊、中学校が2.2冊でございましたが、平成18年10月の調査では、小学校が8.2冊、中学校が2.8冊と増加傾向にございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 読書というのは、特に良書との出会いは言葉と知識を豊かにするとともに、物事を深く考える思考力がつくと言われております。良書との出会いは学校図書室との関係も大きいと関係者は申しております。 そこで、市内における学校図書館司書業務についてお尋ねいたします。市内小・中学校図書館司書有資格者は136名いると伺いました。12学級以上の53学校に司書教諭が配置されているとのことでありますが、53学校中学級担任のない司書教諭は何人いるのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学級担任をしていない司書教諭でございますが、小学校36校中1名、中学校17校中7名、小・中学校合計53校中8名でございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 53校の司書教諭が図書館業務に携わり、児童・生徒とフェース・ツー・フェースで会話し、読書について話ができる時間帯というのはどのぐらいあるのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 司書教諭の多くが担任をしておりまして、授業も行っております。したがいまして、放課後や休み時間などの時間帯に、図書室での業務や読書案内等のレファレンス、あるいは読書計画立案や読書指導など図書館業務に携わっているところでございます。また、夏休みなどを利用して、図書の整理とかあるいは学校図書館整備に当たるなど、工夫を凝らしながら取り組んでいる学校もございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 読書活動の大切さ、読書活動に重点を置くいわき市の教育行政において、現在の学校図書館業務のあり方、図書館司書有資格者を配置して基準を満たしているから問題はないというのではなく、実際にその資格内容が十分稼働し、児童・生徒の心の教育、人間教育に寄与しているかが問題、現在の図書館司書配置の対応についての御所見をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) よい本を選んで読むことは、おただしのように、児童・生徒にとっては必要な知識を得るためだけではなくて、豊かな心をはぐくむためにも大変重要な活動でございます。このような読書活動を充実させるためには、各学校におきましては、司書教諭を中心とします図書館教育の組織を確立いたしまして、全教職員で読書指導に当たる体制づくりが大切であると考えております。 教育委員会といたしましても、学校図書館を支援するための準備を進めており、司書教諭等の研修の充実を図るとともに、学校図書館の機能を発揮するための条件整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) よき友、よき先生、よき隣人との出会いとともに、本との出会いというのは人格形成に大変重要だと思います。本市の今後の読書活動に対する御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本との出会いは、議員御指摘のとおり、豊かな人間性や人生をより深く生きる力を身につける上で、欠くことのできない大変重要なものであると認識しております。このことから、ブックスタート事業や読み聞かせボランティア団体との連携によるおはなし会の開催などを通し、子供たちへの読み聞かせ活動のさらなる推進を図るとともに、(仮称)いわき市総合型図書館の整備にあわせ、絵本や児童書の充実はもとより、子供たちへの読み聞かせなどを行うおはなしの部屋、プレイルーム、さらには、読書離れの進む10代を対象といたしますティーンズコーナーを設けるなど、子供たちが発達段階に合わせて読書に親しみ、その楽しさを味わうことができるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) いわき市においては、平成19年度には総合型図書館も整備され、図書・読書に対する市民のニーズも高まり、大いに期待するところであります。 また、子供を取り巻く社会的環境、家庭環境は必ずしもベストとは申せません。心を育てる大変身近な家庭の教育力の低下が叫ばれる中で、だれがどのようにしてノーマルな心を育てていくのか、その一つの手段として読書があるのではないでしょうか。 ある小説家は、自分が子供だったとき、いじめられっ子でいつも一人ぼっちだった。逃げ場がなく、笑顔で迎えてくれた学校図書室の先生が唯一の救いだった。本を読むことを勧めてくれ、読書の楽しみを知った。図書館に通うことが楽しくなり、生きる大切さと人生への希望が持てた。その図書室での出会いがなかったら、今の自分はなかったであろう。小説を書くこともなく、あるいは、生きることへの絶望から、自分も自殺の道を選んでいたかもしれないと、新聞のコラムに書いております。良書との出会い、まさしく読書は心の糧と言われるゆえんがそこにあるのではないかと思います。 私自身のことも申しますと、人生の道々、つらかったとき、苦しかったとき、常に傍らにあったのが孔子の論語でした。論語が私の心の糧であり、今なお論語の恩恵にあやかろうと、私の会派名の論政会もその一字を引用し、いまだかつて論政会を捨て切れず一人会派でおりますが、今、子供たちにとって大切なのは、図書室に行って自由に本を読みなさいではなく、子供ながらに人生のアドバイスをもらいながら、語らいの中から心と心の交流を持ちながら心の糧を養っていく。それが人生の将来に結びつく心を育てる人間形成の場ではないかと思います。 そこで、図書館司書も、配置しているからそれでいいというのではなくて、それがいかに子供たちに稼働しているか、ぜひ、今後のいわき市の学校図書室の司書の配置に対して、有効な、稼働できる、意味のある配置ということを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。 当市におきましては、平成19年度から市内34の公民館で図書の受け渡し業務を行うとしておりますが、現在の職員配置でそれが可能なのかどうか。館長1人、それから非常勤週3.5日の勤務の中で、非常に過密なスケジュールになるのではないかと思いますけれども御所見をお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 公民館を窓口として図書の貸し出し・返却を行うサービスにつきましては、その業務の省力化・簡素化を図りますとともに、公民館の管理体制、さらには、図書館巡回車や移動図書館によるサービス体制の有機的な連携システムを構築いたしまして、効率的な業務推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、生涯学習の推進についてお尋ねいたします。 当いわき市は、平成8年10月に輝くいわき、学びあい都市宣言を制定いたしました。社会教育法の中では社会教育から生涯学習へと重点を置き、人間、生涯をかけて学習することが大切と宣言をいたしましたが、その10年が経過した今、どのような進捗状況であったのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 本市の生涯学習は、生涯学習推進計画に基づき推進しておりますが、輝くいわき、学びあい都市宣言制定後の第二期計画期間では、市役所出前講座の本格実施やいわきヒューマンカレッジの開学など、多彩な学習機会の充実を図りますとともに、地域の生涯学習の活動の場となる平第二小学校マナビィ館を開館し、市民の自主的・自立的な生涯学習活動の促進を図ってまいりました。 また、平成14年度からの第三期計画期間においては、より一層の自主的・自立的な生涯学習活動の促進を目指し、拠点施設となります生涯学習プラザや36館目となる中央台公民館の整備を図るとともに、市内全小・中学校においては、子供たちと地域の方が交流や学びをはぐくむ学社連携・融合事業等に取り組んでまいりました。 さらに、これまでの取り組みをより一層充実させるとともに、団塊の世代の定年等の新たな課題に対応すべく、平成19年度からスタートいたします第四期の推進計画を作成したところでございます。今後も、引き続き、生涯にわたり、自ら学びあい高めあい、ひとりひとりが輝くまちいわきをめざしますという宣言の理念の実現に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 生涯学習拠点施設である公民館の利用数は、以後どのような推移をたどっているのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 公民館の利用数につきましては、公民館主催の市民講座への参加者や社会教育関係団体等の利用も含めまして、輝くいわき、学びあい都市宣言をした平成8年度が89万3,378人となっております。その後、利用者数の増減はありますものの、年間おおよそ90万人前後で推移いたしまして、平成17年度で申し上げますと、93万1,255人となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) 団塊の世代の方々は、生涯学習機会の提供、地域づくりのための協働体制には欠かせない人材、当市において生涯学習と関連づけた対応について何かお考えがあるのか御所見をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成19年度からスタートいたします第四期生涯学習推進計画においては、重点事業として団塊の世代を対象とした事業を位置づけておりまして、公民館を地域への入り口として、退職後の人生をより豊かにし、自己実現に向けた学習機会の充実、あるいは地域活動参画へのきっかけづくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 団塊の世代の市民講師養成、ボランティア養成など、人生経験豊富な人材の利活用の考えはおありなのか御所見をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 団塊の世代の方々が退職し地域に戻ってくることは、地域社会の担い手がふえ、社会教育の人材が豊かになることにつながり、ひいては、地域教育力の向上に大きく期待できるところであります。このため、公民館事業や市民講師活用事業、さらには、学社連携・融合事業などの取り組みの中で、これまで培われてきました知識・技能を生かせるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次、大きな問題の2点といたしまして、AED設置の実態についてお伺いいたします。 AEDにつきましては、過日の東京マラソンでも注目されました。そこで、当市の設置の状況についてお尋ねいたします。市内設置箇所は何カ所あるのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 消防で保有している14台を除きますと、現在、市の公共施設には36台を設置しております。 ◆4番(森田ミエ子君) その36台、ジャンル別にはどのような場所に設置されているのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 体育施設8施設、公民館・市民会館7施設、庁舎5施設、観光施設7施設、入浴施設3施設、学習施設3施設、その他3施設の合計36施設となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その活用状況についてでありますが、これまで36カ所設置した中で、何回ぐらい使用されているのかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在までのところ、使用した実績はありません。 ◆4番(森田ミエ子君) それでは、これまで、設置するに当たりまして、市民への広報・周知・啓発活動はどのように行われてきたのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成18年9月に市内全戸配布の健康だよりでAEDを特集し、設置場所・使用方法等について周知したほか、設置している施設の入り口など利用者の見やすい場所へAED製造メーカーが作成している設置施設用シールを貼付し、機器が収納されているボックスにも大きく表示してお知らせしているところです。なお、今後とも機会をとらえて周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) AEDの使用について、市民に対しその講習会・研修会などについてはどのように行われてきたのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) AEDを設置している施設の職員に対しましては、昨年7月に普通救命講習会を開催し、AED使用方法についての指導を実施したところであり、その他の職員等に対しては、今後、職員研修の中で講習の実施を検討することとしております。また、一般市民の皆様につきましては、各消防署で行っている普通救命講習会や日本赤十字社で開催する講習会で受講できますので、御活用いただきたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 私もその講習会を2回ほど受けました。しかし、市民にとっては、まだその重要性が知られていないというか、重要性を知っていても、まだ知名度が低いのかなと私は感想として持ちましたけれども、今後、設置場所のPR等についてはどのように行っていくのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在はAED製造メーカーが作成している設置施設用のシールを施設の入り口など利用者の見やすい場所に貼付しているほか、機器が収納されているボックスにも大きく表示されておりますが、施設によっては、そのPR等を工夫する余地がないかどうか検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 民間にはAEDマスター資格認定制度もあると聞き及んでおります。今後、各地域で防災組織の講習など段階的に受講し、ある程度の知識・技術をマスターできた場合には、市民AEDマスター認定等を行い、市民への啓発・啓蒙に役立て、市民が自信を持って緊急・応急手当てに当たれるような方策も必要ではないかと、私自身講習を受けまして感じました。当局の御所見をお伺いいたします。 ◎消防長(木村清君) 民間におけるAEDマスター資格認定制度につきましては把握しているところでございますが、本市におきましては、AEDの使用法を含む応急手当て普及講習を実施しているところでありまして、平成18年中には、普通救命講習等受講者2,677人に対しまして修了証等を交付しているところでございます。今後におきましても、応急手当ての普及活動に努めながら、一人でも多くの市民の皆様にAEDの使用法の周知・啓発をしてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) AEDの普及に努めるNPO法人セントジョンアンビュランスジャパンの東北支部では、県内の活動も活発に、このまちはむだに人を死なせないのスローガンのもと活動を展開していると聞きました。 当市においては、既に36カ所、平成19年度には44カ所の各中学校に配置するという構想も出ております。そこで、本市の設置指針によりますと、公共施設への設置は利用者数おおむね5万人以上としておりますが、不特定多数、高齢者などの利用率が多い市立公民館などへの対応も必要ではないかと存じます。今後の設置拡大への御所見をお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市が平成17年12月に策定いたしました公共施設への自動体外式除細動器の設置指針において、設置すべきとした施設につきましては、今年度すべて設置いたしましたことから、今後につきましては、社会経済状況を踏まえて、指針で想定した環境に変化が生じた場合に、指針の見直しを含め対応策を検討してまいりたいと考えております。 なお、指針の対象外とした学校等の施設につきましては、ただいまお話しいただいたとおり、平成19年度において全中学校に設置する予定としております。 ◆4番(森田ミエ子君) 平成19年度はきらめくまち きらめく市民、まさにサンシャインにふさわしいいわきの目標かと存じます。全力を挙げて市政執行に当たるという、市長の心強いきらめきの言葉に……。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午前10時50分まで休憩いたします。            午前10時42分 休憩           ------------            午前10時50分 開議 △阿部秀文君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。11番阿部秀文君。          〔11番阿部秀文君第二演壇に登壇〕 ◆11番(阿部秀文君) (拍手)11番、秀進会の阿部秀文です。ただいまより、通告順に従いまして一般質問をさせていただきます。 まず、1点目は、市民満足度の向上を目指してについてであります。 本市では、ことし4月から実施の行政機構改革も目前に迫っております。実施方針では、市民を顧客と位置づけ、顧客満足度の向上を市役所の果たすべき役割の第一義に位置づけており、将来世代に責任を持ちながら、持続可能な自主・自立の行財政運営の確立を大きな柱として、今まさに再スタートしようとしている状況にあります。 国を初めとしまして、地方公共団体は、住民ニーズの多様化により行政需要は増加の一途をたどっており、簡素な行政運営体制の構築というものが要請される中にあって、スリムな組織体制のもと、多様化する市民ニーズにマッチした事業や施策の展開が強く求められております。これらを実現していくには、職員の意識改革や組織全体の活性化が不可欠であると考えております。 私が簡単に理解するとすれば、職員みずからがどれだけよい仕事をし市民サービスの向上に寄与できているか、自分の能力が生かされていると感じ仕事のやりがいというものが、結果として市民満足度の向上に深くかかわっていると考えております。 その観点から、職員にかかわる大きく3点について伺ってまいります。 質問の1点目は、本市職員の状況についてであります。 地方公共団体の職員定数は、地方公務員法により、各団体の条例において定めることとされております。しかし、各団体の定数条例では定数の最高限度が規定されるにとどまり、定数適正化を促す管理機能を備えているとは言いがたいと言われております。定員管理の目的は、市民負担の増加抑制に留意しつつ、貴重な人材を生かすため、最少の職員数で最大の効果を上げるようにすることであると思います。 そこで、定数管理の適正化を促す仕組みとしては、地方公務員の総定数抑制を目的として定員適正化計画が策定されている状況にあります。各地方公共団体の定員適正化を考えた場合、人口比率や財政指数、類似団体、あるいは定員モデルなど、複数項目にわたる検討を行い、部門別にその適正な人員のあるべき姿というものを検討されてきているのは、本市も同様と思います。 本市における第3次定員適正化計画のベースとなります平成17年4月1日現在の職員数は4,305名となっております。これを、従事している職員の内訳を部門別に見ますと、普通会計内の一般行政は1,996名、教育や消防関係からなる特別行政では682名、公営企業等会計の職員は1,627名という状況になっております。 そこで、最初の質問ですが、本市の部門別職員数の現状につきまして、中核市と比較した場合の特徴をどのようにとらえているのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 国が示しております定員モデルにより中核市と比較いたしますと、総務部門、それから民生部門、さらに農林水産部門を初めとした経済部門の職員数が多い状況となってございます。その要因といたしましては、本市が広大な市域を有しており、広域合併都市であるという地域特性などから、支所や地区保健福祉センターなどの出先機関を数多く有しているということにあると考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、職員数の実態についてであります。 繰り返しになりますが、本市における平成17年4月時点の職員のうち、大きく部門別に区別した場合では、一般行政部門に携わっている職員数から見た場合、本市職員1人当たりの人口は何人になるのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 全職員から教育、消防及び公営企業等会計部門の職員を除いた、一般行政部門における職員1人当たりの人口は180.3人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 同様に、主な県内他市の一般行政職員数から見た場合、職員1人当たりの人口は何人になるのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 3市を例に挙げて申し上げたいと思いますが、福島市の場合は226.1人、郡山市の場合が219.5人、会津若松市の場合が179.9人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 同じように、中核市では一般行政職員1人当たりの人口は何人になるのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 中核市35市の中で申し上げますと、最大が258.0人、最少が170.5人でございまして、平均では208.8人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 人口や地域産業構造等の経済的要因、さらに市の面積や地形等の地理的要因にも影響を受けており、一概に直接的な比較は難しいものと思います。しかしながら、これまでの比較を伺いますと、さまざまな要因があるとはいえ、本市は指数的には低いのではないかと受けとめているところです。 職員定数の管理について、総務省により類似団体別職員数の調査が行われております。都市では人口を12分類、産業構造を3分類に区分、町村につきましては人口を17分類、産業構造を5分類に区分して、それぞれ人口と産業構造とをもとに分類した類型ごとの1団体当たりの平均職員数が示されており、類似団体別職員数はすべての市町村及び特別区を対象とした定員管理の指標となっておると思います。 そこで、本市が属する類似団体から見た場合では、人口1,000人当たりの一般行政職員数は何人になるのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市の類似団体は17団体ございますけれども、その平均が4.99人であるのに対しまして、いわき市の場合は5.55人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 次ですが、これまで、中核市や職員定数管理の指標となる類似団体別職員数を伺ってまいりました。それでは、一般行政職員数について、特に類似公共事業団体や中核市と比較した場合、本市の現状をどのように受けとめているのかお伺いをします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市の一般行政部門の職員数につきましては、類似団体や中核市における職員数の状況と比較いたしますと、総体的に多い状況にあります。このようなことから、極めて厳しい本市の行財政環境などを踏まえまして、さらなる定員の適正化に努めていく必要があるものと認識してございます。 ◆11番(阿部秀文君) 総務省の調査によりますと、平成18年4月1日現在の地方公務員の総数は299万8,402人となっておりまして、対前年比では過去最大の4万3,720人の純減となり、昭和51年以来、30年ぶりに地方公務員の総数が300万人を割ったということでありました。一方で、地方公務員の総数は平成7年から12年連続して純減しており、その累積は28万人を超える純減となっているとのことであります。 そこで質問ですが、地方公共団体の定員管理に関して、国の具体的な方針についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 国・地方を通じた行財政改革の進捗状況につきましては、国民の厳しい視線が向けられておりまして、さらなる改革を推進していく必要があることを踏まえまして、総務省は、平成17年3月に地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針というものを作成いたしました。この中で、定員の適正化につきましては、過去5年間の地方公務員総数の純減実績であります4.6%を上回る純減を図る必要があるとされたところであります。 また、平成18年8月には、地方公共団体の行財政を取り巻く環境が依然として厳しい状況にありますことから、同省が地方公共団体における行政改革のさらなる推進のための指針を作成いたしまして、集中改革プランにおける定員管理の数値目標の着実な達成に取り組むとともに、職員数の一層の純減を図ることとされております。 ◆11番(阿部秀文君) 本市におけます第3次定員適正化計画では、平成22年度までの5年間で職員数を平成17年4月時点より10%、430人削減するという目標を策定されておりますが、それでは、その設定に至った根拠についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 第3次定員適正化計画につきましては、地方自治体を取り巻く環境の著しい変化や極めて厳しい本市の行財政環境などを踏まえまして、自主・自立の行財政運営を確立し、市民福祉の増進を図ることを目的とする第5次市行財政改革大綱に基づきまして、平成18年2月に策定したものでございます。数値目標の設定に当たりましては、新・市総合計画の推進を図ることを前提に、第5次市行財政改革行動計画の内容を十分視野に入れた上で、行財政改革に係る国の指針・方針や定員管理に関する参考指標を十分勘案するとともに、極めて厳しい行財政環境を踏まえ、これまで以上に積極的かつ大胆に行財政改革に取り組む姿勢のもと、計画期間内に430人、率にして10%の削減を図ることとしたものでございます。 ◆11番(阿部秀文君) 平成18年度から5年間にわたって推進していく第5次いわき市行財政改革大綱の具現化に向け、このいわき市行財政改革行動計画では、具体的な改革・改善事項などについて策定されております。効率的な行財政運営を目指す中で、中長期的な視点に立った組織づくりへの取り組みが必要不可欠であり、将来に向けた抜本的見直しを行ってきたものであると思います。 そうした中にあります第3次定員適正化計画は、職員数を削減することが主な目的ではなく、急速に変化する社会情勢に迅速に対応するため、そして、市民サービスの質的向上を図る観点からも、行政効率をこれまで以上に高めていくことが強く求められているからだと認識をしております。 第3次定員適正化計画では、定員適正化のための主な手法として、行政機構改革による組織・職制及び職務権限の見直し、行政評価システムの改善・充実を初めとして13項目が達成課題として挙げられております。市民本位の行政を切れ目なく円滑に、そして効果的に運営していくには、限られた人員の中で、必要とする部署に必要とする職員を配置し、行政運営をスムーズに対処することが本来の目的であるとも考えております。 職員の目指すべき方向性、ベクトルというものをしっかりと合わせ、意識の改革、職場の活性化を図ることによって、定員適正化計画は必ず達成できるものと確信をしております。本市を取り巻く環境は厳しいものがありますが、全体の奉仕者としての使命を組織一丸となっていかんなく発揮され、今後とも市民に期待され続ける組織であるよう願いまして、次の質問に移りたいと思います。 大きな2点目は、行政評価システムについてであります。 行政評価システムの目的は、市民の視点に立ち、最少の経費で最大の効果を上げるため、施策や事務事業等の事業実施の妥当性・効率性や事業の有効性、そして業務改善につなげることにあると思います。 総務省によりますと、平成18年1月時点の調査では、都道府県、政令指定都市はすべての団体で、中核市では37団体中87%に当たる32団体で、既に行政評価システムの導入が図られてきている状況にあるということです。また、一部の自治体では、行政評価の対象も政策や施策にまで拡大するなど、行政評価システムが各自治体の中で定着をしてきており、その効果の発揮と役割はますます重要性を増してきている状況にあると思います。 本市における行政評価システムにつきましては、2年間にわたる試行を経て平成15年度から本格導入されてきており、平成18年度の行政評価結果も昨年11月に公表されてきている状況にあります。 そこで、最初の質問ですが、平成15年度の本格導入から4年が経過したわけであります。そこで、4年間における毎年の事務事業総数は何件になっているのかお伺いをします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 過去4年間の一般会計におけます事務事業総数につきましては、平成15年度が1,386件、平成16年度が1,288件、平成17年度が1,455件、平成18年度が1,510件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、過去4年間の中で、毎年行政評価を行ってきた個別事業の総数は何件になっているのかお伺いします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 過去4年間の対象事務事業数でございますけれども、平成15年度が307件、平成16年度が141件、平成17年度が135件、平成18年度が192件であり、合計いたしますと775件となります。 ◆11番(阿部秀文君) 評価における基準は、事業規模の観点から拡大・継続・縮小・廃止・終了の5の区分に、事業手法の観点から現行・見直し・統合のこの3区分に分けて評価をされているわけであります。それでは、成果重視の観点から、見直しとされた事業総数は何件かお伺いをします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 議員おただしのように、評価につきましては拡大・縮小・廃止・終了の観点から行うものでございますけれども、そのうち、見直し・統合とされた事業につきましては何らかの見直しを行うことになりますが、その件数は過去4年間の合計で273件となります。 ◆11番(阿部秀文君) では、ただいま申された273件の効果額について幾らになっているのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 見直しの効果額につきましては、事業費の増減がすべて行政評価の評価結果に基づくものではないことから、正確にその数値を把握することは困難でありますが、行政評価システムの対象事務事業のうち、規模の観点から縮小・廃止・終了とされた事業について、年度ごとに当該年度の当初予算と次年度の当初予算額を比較いたしますと、平成15年度分が約4億4,700万円の減、平成16年度分が約2,700万円の減、平成17年度分が約1億4,100万円の減、平成18年度分が約4,100万円の減となり、4年間の合計で約6億5,600万円の減となります。 ◆11番(阿部秀文君) 非常に大きな成果であると思います。行政評価システムの導入によりまして、事務事業の評価結果と効果が具体的な数値で把握できるようになってきているのは、市民にもわかりやすく、すばらしい成果であると思います。 次は、毎年の評価結果への市民意見の吸い上げや反映についてでありますが、毎年、個別事業評価に市民意見を反映させるため、二次評価段階で公表され、パブリックコメントも募集されております。 そこで質問ですが、それでは、市民から寄せられた意見について、4年間で何件になっているのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 過去4年間における市民意見の提出状況は、合計で37件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 4年間で37件ということで、この件数は、意外ですが思ったより少ないと感じております。では、4年間でホームページに公表された行政評価結果にアクセスをされた件数はどの程度になっているのかお伺いをします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 過去の行政評価結果を市ホームページ上に掲載してございますけれども、平成19年2月末現在で申し上げますと、これまでに約1万2,000件のアクセスをいただいております。 ◆11番(阿部秀文君) 行政評価の結果に積極的に市民意見を反映させていくという観点から見れば、意見が少なかったということですが、対象事業が膨大であったことに加え、資料として公開されている評価調書や整理表が市民から理解しにくいことなどがあったのではないかとも考えられるわけです。ただ、アクセス件数も含めて考えれば、相当数の市民が評価結果を見ていることも事実でありますので、評価結果にある意味では納得されているのではないかとも受けとめているところです。 いずれにしましても、公表に当たりましては、市民にわかりやすく見やすい結果の公表となるよう、今後も努力をしていっていただきたいと思います。 次ですが、試行期間を加えれば6年間にわたって行われてきました行政評価を通じ、毎年の行政運営に役立てることや組織内への意義の浸透を図ることが求められてきたと思います。 そこで質問ですが、どのような効果が上がっていると受けとめているのかお伺いをします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市におきましては、成果重視の行政運営と市民への説明責任の向上を目指して行政評価システムを導入しているところでございます。これまで、評価結果に基づき事業の見直し等が図られたこと、事業に取り組む職員の意識が向上したことなどから、成果重視の行政運営の面からは一定程度の効果があったものと認識しております。 また、市民で構成する市行政評価市民委員会の設置や評価過程におけるパブリックコメントの実施、評価結果の公表などにより、市民の皆様への説明責任の向上の面からも十分効果があったものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 行政評価システムの今後につきましてですが、評価の基準を市民の視点や経営的視点から、より一層の定量化・指標化を行うことにより、わかりやすい評価結果、市民ニーズを的確に反映した、より実効性の高い事業展開につなげていく必要があると考えます。そこで、今後の進め方についてお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 行政評価システムにつきましては、事務負担の軽減やより効果を高めていく観点から、評価過程の簡素化や内部評価権限の担当部への委譲、さらには、施策評価の導入に向けた庁内試行などの見直しに取り組んでまいりました。 今後におきましては、限られた行政資源を有効に活用し、市民志向、成果志向の行政運営システムへの転換を図るために実施いたします行政機構改革を踏まえ、計画・実施・評価・改善という、いわゆるPDCAサイクルを有効に機能させる観点から、新・市総合計画や行財政改革との連動をより一層強化するとともに、市民の皆様にもわかりやすい評価制度となるよう見直しを図ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) この行政評価システムは、行政運営に欠かすことのできないツールとしての役割もますます重要になってきていると思います。加えて、毎年の事業を評価し効果を確認していくことによりまして、市民満足度もさらに高まっていくものと期待をしているところでございます。改善を進め、政策形成能力や説明責任をさらに高めていっていただくよう御期待を申し上げ、次の質問に移ります。 3点目は、職員提案制度についてであります。 本市の職員提案制度は昭和41年に導入され、その後、約30年ぶりとなる平成7年から一部変更が加えられております。職員提案制度は、職員の意識改革や活性化に効果があると言われており、私もその役割には大きな期待をしているところであり、今後、ますます重要性が増すものと考えております。そこで、これまでの状況も踏まえ、職員提案制度について伺ってまいりたいと思います。 まず、1点目の質問ですが、本市における職員提案制度の期待する目的について改めてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員提案制度の目的は、職員の創意工夫による提案を推奨することによりまして、市における事務改善を推進すること、さらには、職員の意識改革を図ることでございます。 ◆11番(阿部秀文君) 平成18年度に職員から提案応募された件数の状況についてはどのくらいなのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員提案制度につきましては、本年度から、提案の種類を課等の長が各職場における改善の実績を提案する実績提案と職員個人が幅広く事務改善を提案するアイデア提案の2つとするなど、抜本的な見直しを図ったところであり、本年度の提案件数といたしましては、実績提案が4件、アイデア提案が50件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 全体の職員数から見ますと、目的なども踏まえれば、提案件数は少ないようにも思えるわけですが、啓発活動はどのように行っているのかお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 部長会議の場や各部等の統括主幹で構成する行政能率推進委員会を通じまして、制度改正の周知や積極的な取り組みを依頼したほか、庁内ポータルを活用し、全職員に対して広く提案を募集したところであります。 ◆11番(阿部秀文君) それで、次の質問なんですが、一部見直しがされた平成7年度からの提案件数はどのようになっているのか、応募件数をお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 平成7年度から平成9年度までの3年間の提案件数は、年間一、二件程度でございましたが、その後につきましては年間10件から20件台で推移をいたしまして、直近の3年間で申し上げますと、平成15年度が14件、平成16年度が22件、平成17年度が36件となってございます。 ◆11番(阿部秀文君) 今お聞きしますと、平成16年度から平成17年度にかけて22件から36件と件数が伸びているわけですが、その理由についてお伺いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員の改革に対する意識を喚起するために、平成16年度から、市長が直接褒賞を授与する褒賞式を実施するとともに、その模様を職員ポータル等を通じ公表しておりますが、これらの取り組みによって提案件数が伸びたものと考えてございます。 ◆11番(阿部秀文君) 職員から提案応募された内容につきまして、審査が行われ褒賞結果に反映されると思います。そこで、次の質問ですが、褒賞の内容についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 実績提案につきましては、その内容により、市長賞、優秀提案賞、提案賞の3段階を設定しており、市長賞に対しましては、2万円の図書券と賞状、優秀提案賞及び提案賞に対しましては、賞状のみの交付としてございます。また、アイデア提案につきましては、市長賞からチャレンジ賞までの6段階を設けまして、そのうち、市長賞から3級までにつきましては、区分に応じて3万円から3,000円の図書券と賞状、チャレンジ賞につきましては賞状のみを交付することとしております。さらに、実現褒賞につきましては、優秀実現賞と実現賞を設けておりますけれども、いずれも賞状のみの交付としてございます。 ◆11番(阿部秀文君) ただいまの褒賞等級の中で、最高位の賞は市長賞だと言われておりましたが、それでは、その最高位の賞を受賞された職員はこれまで何名いるのかお伺いをいたします。
    ◎総務部長(猪狩正利君) 現時点におきましては、募集期間を終了したアイデア提案のみ審査を実施しておりますけれども、本年度は、市長賞につきましては該当する職員はおりません。また、昨年度まで実施しておりました制度において最高位でありました1級につきましても、過去の受賞実績はございません。 ◆11番(阿部秀文君) 実績では最高位の受賞者・該当者がいなかったということですが、制度の目的から考えても非常に残念でありまして、職員提案制度が効果的に機能しているとは言いにくい状態にあると思います。 そこで、職員提案制度の予算額は幾らなのかお伺いをいたしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 報奨金として授与いたします図書券の購入に係る経費としまして、12万円を計上しているところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) 目的を考慮しますと、12万円ということで、予算的には少ないのではないのかとも感じますが、実態から見れば、これもまた納得せざるを得ないものと思います。 本市の職員提案制度は、まだまだ十分機能している状況にはないと思います。今後の市政運営には、より一層の職員の意識改革が不可欠であると考えております。また、意識改革を進める手段としても有効な職員提案制度を、さらに効果のあるものにしていく必要があると考えております。鉄は熱いうちに打てとのことわざもあります。特に、新人のうちから改革に対する意識を高めさせていくことによる効果は大きいと考えます。 そこで質問ですが、例えば、採用されてから2年目職員全員による職員提案を行っていったらどうかと思いますが考えを伺いたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員の意識改革を推進し、改革・改善に前向きに取り組む組織風土へ転換を図るためには、職員提案制度の活性化は重要な課題であると認識しております。そのため、本年度に行った制度の見直しにおきましては、職員提案による褒賞結果を人事評価に反映させる仕組みを導入したところであります。 新規採用職員等に対する意識改革や啓発につきましては、職員研修等を通じ積極的に行っておりますけれども、ただいま議員から御提案をいただきましたように、採用から一定期間を経過した職員に対し一律に提案を求める制度の構築に関しましては、期待できる成果等を十分に検証するとともに、職員の負担感にも配慮しながら、今後研究してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 職員全体の意識改革につなげていくには、お互いに刺激し合うという意味からも、これまで以上にもっと見える活動にしていくことが大切ではないかと思っております。 そこで、職員提案制度をほかの自治体との有効的な競い合いにより、職員の意識改革の向上と活性化への期待、そしてお互いの提案内容をそれぞれの自治体がフィードバックさせることができる共同事業により、さらなる市民本位の市政運営に努めていくことができるのではないかと思うわけであります。 その観点から次の質問ですが、ノウハウを相互に利用し合うことができる、他市との共同運営による職員提案コンペを導入する考えについてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員提案制度に関しましては、これまで答弁申し上げてまいりましたように、今年度抜本的な見直しを図ったところでありますので、当面はその定着と一層の活用に取り組むことといたしまして、議員御提案の他市との共同運営による職員提案コンペにつきましては、費用対効果の面も含めまして、今後研究してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 職員一人一人のアイデアや意見を積極的に吸い上げ仕事に生かしていくことが、結果として、的確な市民サービスの向上につながるものであると思います。その上で、私が最も期待したいのは職場の活性化であります。みずから課題を発掘し解決していく自立行動型の職員育成というものを図っていくことができれば、すばらしい職員提案制度になると考えております。さらに、やる気は生きがいにも通じていくものであります。苦しくても目標を目指して頑張る気持ちが、充実した達成感を味わうことができる条件でもあると思います。 意識改革とは非常に難しい課題であると思いますが、要は動機づけにあると思います。きっかけは、外発的な動機づけにより訓練を重ねることによって職員の意識改革が徐々に醸成されていくものと確信をしております。職員のやる気や職場の活性化にも不可欠です。職員が緊張感を持って、生き生きと働くことができるような仕組みづくりにつなげていくこと、職員の能力をさらに引き出すような仕組みづくりを積極的に進めていっていただきたいと思います。 次は、水道事業についてでございます。 本市の水道事業は、平成5年度に基本目標をいつでも、どこでも、安全でおいしい水を必要なだけ供給できる水道の構築と定め、新規水源の確保、水道水源の保全、水の安定供給の確保、水の有効利用等の観点から水道事業基本計画が策定され、その実現を目指すこととあわせ、市民に安全でおいしい水の提供に心がけ、質の高い水道事業を運営されてきていると思います。 水道局では毎年、水道水の状況として水質年報も報告されております。平成15年度版と平成16年版を比べますと、水質年報のページ数が288ページから410ページへと大幅にふえております。それだけ水への規制・要求というものが強化されてきているあかしではないかともとらえているところでございます。そのような状況を踏まえ、以下、質問してまいりたいと思います。 さまざまな原因による水質の汚濁、そしてオイル流出事故や病原性微生物の問題など、水源を取り巻く環境はますます厳しい状況にさらされてきていると思います。さらに、取水口付近は暴露状態にありまして、テロによる驚異も排除できないと思います。そのような観点から、水源の保全は、水道にとって安全でおいしい水を供給するには不可欠の要素でもあります。 最初の質問ですが、主な水道水源の保全状況についてお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 本市の主な水道水源は、夏井川水系、鮫川水系であり、その水源流域は、小野町、古殿町など市域外を含め1,226平方キロメートルと広大な面積でございます。 これまで、安全で良質な水道水確保のため、取水施設への定期的な巡視と点検、水道水源の河川清掃、河川監視員によるパトロールなどを実施してきたところでございます。さらには、河川上流域の他市町村と連携した夏井川・鮫川水系水質汚濁対策連絡協議会を設置するなど、水道水源保全対策を行い、水道水源の良好な環境の維持に努めてまいりました。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問ですが、本市の水道水はおいしいと言われておりまして、水道局の皆さんも同様に言われているわけです。それでは、本市水道の水質について、県内他市と比較した場合の特徴についてお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 本市の給水水質は、昭和60年当時の厚生省の諮問で設けられましたおいしい水研究会のおいしい水の要件とされております水温・硬度・蒸発残留物・残留塩素・有機物等・臭気強度の6項目において、すべての要件を満足しております。 また、表流水を原水としている福島市・郡山市・会津若松市等の代表的な浄水場と本市の平・上野原・泉・山玉の4基幹浄水場の水質を、おいしい水の要件で比較いたしますと、水温は他市よりやや高目な傾向でございますが、蒸発残留物・有機物等・臭気強度は他市より低いという特徴がございます。なお、山玉浄水場につきましては、市内のほかの浄水場と比べ硬度がやや低くなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 次の質問ですが、水道水に関した苦情につきまして、市民から寄せられることがあると思いますが、その内容についてお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 主な苦情内容は、水道水のにおいであるとか着色--赤水ですけれども、着色に関するものでございまして、過去3年間の苦情件数は、平成15年度は17件、平成16年度は13件、平成17年度は15件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 思ったより件数が少なく、日常からしっかりと管理をされていると改めて実感をした次第です。 そこで次の質問ですが、多数行わなければならない水道水の検査項目についてですが、水質管理目標設定項目の中で、腐食性として示されているランゲリア指数とはどのようなものかお伺いいたします。 ◎水道局長(藍原克美君) ランゲリア指数は、水道水の水質基準50項目を補完するものとして設定されております水質管理目標設定項目27項目の中の一つでございまして、水が金属を腐食させる程度を判定する指標でございます。 このランゲリア指数は、pH、アルカリ度、カルシウム硬度、水温を構成要素といたしまして、一定の計算式で求められるものでありまして、数値がマイナスの値で絶対値が大きいほど水における金属を腐食させる程度が強くなります。 ◆11番(阿部秀文君) 私も調べましたら、このランゲリア指数とは、アメリカのランゲリア氏によって提案されたものだそうでございます。我が国の水道水のランゲリア指数は、世界的に見ると腐食性が強いと言われております。水の腐食傾向が強いことにより起きる障害は、鉄管からの鉄さびによる広範囲な赤水の発生、さびこぶ中の細菌や原生動物の繁殖、さらに、配水施設や給水施設の腐食による耐用年数の短縮や漏水などが起きるとされていると、このようなことでございました。 そこで次の質問ですが、このランゲリア指数をよい状態に改善する方策について伺います。 ◎水道局長(藍原克美君) ランゲリア指数を改善する方法としては、まず1つ目は空気で水を攪拌する方法によるエアレーション方式、2つ目は消石灰溶液等を添加することによるアルカリ溶液添加方式、3つ目には貝殻に接触させるアルカリ塩接触中和方式、また、4つ目には炭酸ガス等を注入する酸成分添加方式などがございます。 ◆11番(阿部秀文君) この腐食、特に配水管の腐食によりまして、過去に大規模な漏水事故が発生したこともあります。平成16年12月に発生した漏水事故では、国道6号バイパスに布設している配水管の漏水によりまして、国道を全面規制するという事態も発生をしたそうでございます。 そこで、次の質問ですが、この漏水の原因について伺いたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 一般的には、配水管の腐食は、管の外面に起因するものと内面の水道水質に起因するものとの二通りが考えられます。まず、配水管外面に起因する腐食は、主に土壌による腐食などの埋設環境によるものであります。また、配管内面に起因する腐食は、水中に溶け込んでおります酸素とか塩類やランゲリア指数の数値がマイナスの値で、絶対値が大きい水質等によるものと考えられます。なお、本市では、現時点においては、管内面からの腐食による漏水のケースは確認されておりません。 ◆11番(阿部秀文君) 配水管はほとんどが地中埋設であります。ただいまのことでは、外面からの腐食だということですが、それでは、この配水管が腐食しやすい地質とはどのようなことなのかお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 配水管外面からの腐食は酸性土壌によるものでございます。代表的な土質といたしましては、硫黄分を含む石炭殻、硫酸塩を多量に含む海成粘土や泥岩及び腐植土が考えられるところでございます。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、外面腐食を予防する策についてお伺いをしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 配水管として使用しておりますダクタイル鋳鉄管等の腐食予防策は、外面に亜鉛を吹きつけ、さらにエポキシ樹脂塗料を二度塗りいたし、その上にポリエチレン材で管を覆うことなど、腐食土壌を遮断することによる方法で行っております。 ◆11番(阿部秀文君) 相当大変みたいなんですが、特にこの本市において対策がとられているのはどの地域なのかお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 本市は、硫黄分を含む石炭殻や硫酸塩を多量に含む海成粘土など、腐食性土壌が広く分布いたしておりますことから、配水管の埋設に当たりましては、市内全域で腐食対策を行っているところでございます。特に、勿来地区の佐糠町、岩間町地区及び泉町滝尻地区等の国道6号バイパス沿線におきましては、主要配水管が埋設されておりまして、安定給水を確保する観点から重点的に実施しております。 ◆11番(阿部秀文君) この腐食を予防していくことは、配水管などの延命にもつながっていくことであり、突発的な漏水事故を防ぐ意味からも効果が大きいと思います。さらに、大規模となるような漏水事故は経営上の損失となりまして、あわせて、道路陥没など二次災害を招くおそれもあります。また、一方では、断水により市民生活にも大きな影響が出る場合もあると思います。今後とも、安全で安心して使える水道の供給をよろしくお願いしたいと思います。 次は、今後の水道事業についてです。 本市における平成17年度末の給水人口につきましては、給水区域内における普及率は99.6%を超えている実態にあります。このことから、今後の水道事業は、施設拡張の時代から維持管理への時代に移行しつつある、このようにもとらえております。 また、企業債残高につきましては、平成17年度末現在で約420億円という多額の借金を抱えており、毎年の償還額も大きな負担となってきております。それらをあわせ考えれば、事業経営環境は一層厳しい状況になってきているとも思います。あわせて、現有施設の地震対策、耐震化率の進捗度もまだまだ低く、施設の安全性を高めるためにも、今後さらに推進していかなければならない状況にあると思います。 そこで、今後の水道事業についてですが、まず1点目ですが、経営実態など、県内他市と比較した場合の本市の特徴について伺いたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 本市の水道事業は、県内他市と比較いたしますと、給水区域面積が福島市の約2.8倍、郡山市の約1.6倍の464平方キロメートルと広大でございます。また、水源のほとんどは中小河川に依存していることや広域合併により都市形態が多核分散であること、さらには、起伏に富んだ地勢となっていることなどから、浄水場やポンプ場や配水池等の施設数が多く、送水管や配水管の延長が長くなっております。 ちなみに、平成17年度末における本市の配水池設置数は、福島市の約3.4倍、郡山市の約6.8倍の163池でありまして、配水管の延長は福島市の約1.5倍、郡山市の約1.3倍の2,098キロメートルを有しておりまして、維持管理費用が他市と比べて多くかかる状況にございます。 ◆11番(阿部秀文君) 配水管の法定耐用年数は40年と言われております。しかし、本市には既に40年を超えている配水管もまだまだ使用されている実態にあります。老朽化した管路施設の更新などにつきましては、効率的・計画的に行わなければならないと思います。しかし、管路の大部分は地中埋設であり、その状況というものが容易に把握をできないため、管路の更新を計画的に行うには総合的に診断・評価することが必要であると思います。そられを踏まえた上で、更新すべき配水管等の優先順位というものを考慮をしていかなければならないと思います。 そこで次の質問ですが、市民生活に直結する配水管について、今後の更新計画の考え方についてお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 本市の配水管延長は約2,100キロメートルございまして、そのうち、法定耐用年数40年を経過した老朽配水管は、平成17年度末で約100キロメートルございます。このように、更新を必要としております配水管延長が長いことから、経年劣化や埋設環境を十分考慮いたしまして、漏水事故や赤水などによる市民生活への影響が大きい管を優先いたしまして、年次計画により更新を進めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、配水管の更新に要する費用につきましてはどの程度想定されているのかお伺いをしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 平成19年度から平成22年度を期間といたします中期経営計画におきましては、主に、大正中期から昭和20年代に布設されました鋳鉄管やダクタイル鋳鉄管など、延長約33キロメートルの更新を計画しております。その更新費用は約48億円を見込んでおります。 ◆11番(阿部秀文君) 配水管も大変なんですけれども、浄水施設の主な法定耐用年数は構造物が60年、ポンプ・発電機等が15年と言われております。本市の浄水場については、既に設置後40年を経過している浄水場もあります。老朽化が進む浄水場について更新を想定した場合、どの程度の負担が発生すると想定されているのかお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 浄水場は主にコンクリート構造物でございまして、法定耐用年数は60年となっております。本市の水道事業におきましては、4カ所の基幹浄水場を有しておりますが、適切な保守点検のもとに物理的な延命策を図っております。 この結果による実際的な更新時期につきましては、現段階で判断することは困難でございますが、これらの更新時期を法定耐用年数が満了する時期でとりあえずお示しするとすれば、泉浄水場が平成36年度、上野原浄水場が平成43年度、平浄水場が平成46年度、山玉浄水場が平成49年度となります。また、これらの浄水場を更新するために必要となる事業費につきましては、1施設当たりおおむね100億円程度と見込んでおります。 ◆11番(阿部秀文君) 浄水場の更新には莫大な費用負担が必要になるということであり、改めてしっかりとした更新計画の必要性を認識した次第です。 それでは、現時点において、浄水場の更新に要する事業費についてはどのように確保していく考えなのかお伺いいたしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 浄水場の更新には多額の資金が必要であり、自己資金で不足する分につきましては、新たな企業債の発行により対応せざるを得ないものでございます。このため、将来確実に到来いたします浄水場の更新に備えまして、平成17年度末現在で約420億円ある企業債の残高を、10年後の平成28年度末に300億円程度とする目標値を定めたところでございます。 したがいまして、今後は新規の企業債の借入額を償還額の半分程度までに近づけ抑制することにより、企業債残高を減らしていくとともに、計画的な施設更新の実施とコスト縮減に努め、将来の市民負担増につながらないように、効率的な事業運営を実施してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 水道事業全体から見た場合、厳しい経営状況を踏まえた上でも、市民生活に直結する水道料金の負担増を極力招かないように考慮していく必要があると思います。そこで、今後とも、不断の努力により安全な水道水を確保していくことはもちろんでありますが、事業全体としてのコスト抑制を図っていかなければならないと考えております。技術的に裏づけされた延命を図るということも重要であると思いますが、水道施設の延命につながるような対策はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 ◎水道局長(藍原克美君) 水道施設は、取水から浄水・配水施設を経由いたしまして家庭の蛇口まで、バランスのとれたトータルシステムとして機能しなければなりません。このことから、水道施設の維持機能とあわせ延命対策を図るため、各施設ごとに次のような対策を講じております。すなわち、浄水場・ポンプ場・配水池などでは機械・電気計装設備機器を毎日点検するとともに、専門技術者による定期点検を実施いたしまして、不良箇所の早期発見・早期修繕を行っております。また、配水管につきましては、新設時に腐食に強い材質の管を使用するなど、腐食防止対策を講じておりますほか、既設管につきましては水管橋の塗装・修繕など必要な措置を行っております。 今後におきましては、さらなる設備等の延命化を図ってまいるため、統一的な水道施設維持管理マニュアルを作成することとしておりまして、また、延命計画の策定につきましても検討してまいる考えでございます。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後1時まで休憩いたします。            午前11時53分 休憩           ------------            午後1時00分 開議 △岩井孝治君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番岩井孝治君。          〔13番岩井孝治君第二演壇に登壇〕 ◆13番(岩井孝治君) (拍手)13番、志政会の岩井孝治です。 先般、新年度予算案が発表され、市長は会見の席上、厳しい財政状況の中でも安全・安心の暮らし、交流人口の拡大に重点を置いたとしております。この交流人口の拡大の観点で申し上げますと、昨年の取り組みなどは評価できるものが多く、いい仕掛けができつつあるなとの感想を抱いております。特に、映画『フラガール』の支援などは、その判断やよしと言えると思います。市民の中には、一企業のサクセスストーリーに税金を出すのはいかがなものかとの批判もあったわけでありますから、英断だと言ってよろしいでしょう。 さらに、今定例会の質疑を聞いておりますと、仕掛けの中身はいよいよ濃くなっているようであります。いわき芸術文化交流館・ALIOS/アリオス、いわき駅前再開発ビル、アクアマリンパーク倉庫群、IWAKIふるさと誘致センター、観光まちづくりビューロー、リニューアルされたいわき平競輪場、常磐地区においては、童謡館、東湯の建設など盛りだくさんであります。 仕掛けといえば、私の中では釣りが思い浮かぶわけでありますが、釣りの要件というのは、そこに魚がいること、その魚を釣りたいと思う人がいること、そしてその間に位置する仕掛けがあることであります。この仕掛けが大変重要でありまして、釣果に差が出るとすれば--釣果というのはどれだけ魚が釣れたかということでありますけれども、それに差が出るとすれば、それは仕掛けに問題がある場合が多いと言われております。 本市におきましては、いい仕掛けができつつある中で、最後の課題は、かかった魚をいかに取り込むかにかかっているのだろうと思っております。この取り込みを甘く考えていると、目の前でその魚を取り逃がすといった失敗をする羽目になります。どうか、細心の注意を払い、慎重かつ勇断なる行動をとっていただき、事業の進展を図っていただきますようお願いを申し上げながら、以下、通告順に従い一般質問をいたします。 大きな質問の1番目は、教育行政についてでありますが、1点目は学校司書について伺います。 現在、子供の読書離れが心配な中で、児童・生徒がみずから課題を発見し、情報を探索し、発表し、討論して、創造的に知識を自分のものにするような学習を展開することは極めて重要なことであり、これらを解決するためにも、児童・生徒の読書活動を充実させることは言うに及びません。 かつて、読書は教養を高め、娯楽を求め、情報を得ることのすべてを充足させていたものでしたが、現在は多様なメディアの出現により、子供たちの読書への依存が極めて少なくなってきております。しかしながら、読書は子供たちの思考力を育成し、内部から自己改革を促すという、他のメディアにない固有の機能を有しており、読書活動の充実は学校教育の基本的な使命の一つと言っても言い過ぎではないと考えております。 本市では、平成14年から朝の読書運動を推進し、市内の小・中学校が全校挙げて読書活動の充実に取り組んでいると伺っておりますが、学校図書館が学校の中核的な機関として、その教育的な機能を存分に発揮できるよう、学校図書館の充実・振興こそが今不可欠な緊急課題であるととらえております。そのためにも、各学校の図書の充実はもちろん、司書教諭の仕事の質を高めるとともに、保護者や地域の方々の力をかりて、読書に関して子供たちの話し相手や相談相手になるような学校図書館の体制づくりが必要ではないかと考えております。 1つ事例として紹介いたします。私ども志政会は、先日、長倉小学校の図書館を視察してまいりました。空き教室の利用ということもありますが、明るく十分なスペース、それぞれの学年に応じたディスプレー、そこかしこに見える細かい演出など子供の興味を引き出す工夫が感じられます。そして、何より図書館司書の方々の熱心な指導ぶりは、子供をその気にさせるに十分なものがありました。 ボランティアで週2日お手伝いをされている司書の方の言葉は印象的でした。本があって、そこに子供たちがいる。しかし、それだけで本に興味を持つわけではありません。子供たちがどんな関心を持って図書館に来ているのか、何を求めているのかを探り当て、知的好奇心を刺激し、その間を取り持つのが私たちの仕事です。私たちのアドバイスで、読書に対する思いがどんどん膨らんでいるようです、そうおっしゃっておりましたが、学校司書の存在がいかに大きいかを感じてまいりました。長倉小学校では、学校司書教諭の先生とボランティアの司書のお二人、そして保護者や地域の方々の協力を得て、図書の貸し出しが倍々ゲームになっているということでありました。 そこで、学校図書館に関して次のことについて伺います。 まず、市内小・中学校の司書教諭の現状についてお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 本市の小学校・中学校におきましては、現在、136名の司書教諭有資格者がおり、学校図書館法に定められている12学級以上の小学校36校、そして中学校17校の合計53校すべてに司書教諭を配置しております。各学校におきましては、より質の高い読書活動が推進されますよう、司書教諭を中心としまして全教職員で指導に当たっているところでございます。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、学校図書館において、地域の方々がどのようにかかわっているのかを伺います。 ◎教育部長(山田満君) 各学校におきましては、PTAや地域の方々、さらにはボランティアの方々の協力をいただき、その学校の実情に応じまして、本や絵本の読み聞かせ、図書室の本の整理・修理などの活動をしていただいているところでございます。 ◆13番(岩井孝治君) 保護者や地域の方々の協力は、各学校の実情に応じて取り入れるということでありましょう。今後、学校図書館の活性化に向け、市としてどのように取り組んでいくのかを伺います。 ◎教育部長(山田満君) 本市では、児童・生徒にとって豊かな心をはぐくむ読書活動を推進するとともに、授業の中で活用できる学校図書館づくりを目指しております。そのためには、各学校におきまして、司書教諭等を中心として全教職員で学校図書館の運営に当たる体制づくりを確立するとともに、さらに教育委員会といたしましても、司書教諭等の研修の充実を図ることはもとより、すべての小・中学校で学校図書館の機能が十分に発揮できますよう、文部科学省を初め関係機関との連携を図り、また、指導を受けながら、その体制整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 先ほども申しましたから、繰り返すことはしませんけれども、学校司書のその存在の大きさ、子供たちに与える影響、そういったものを深く理解をいただきまして、一層の推進を要望して次の質問に移ります。 2点目は、スポーツ・コミッションについてであります。 昨年2月の定例会におきまして、交流人口の観点から本市の施策についてお聞きしましたところ、スポーツ・コミッション基礎調査事業の話が出ました。関心を持って見てまいりましたが、その調査結果なども踏まえお答えいただければと思います。 まず、スポーツイベントや選手合宿の誘致をするに当たって、本市のセールスポイントはどこか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 今年度実施しておりますスポーツ・コミッション基礎調査事業の市内競技団体へのアンケート調査によりますと、スポーツ大会やスポーツ合宿を誘致する際、本市に有利な条件として、日照時間が長く、冬期間の積雪が少ない温暖な気候や専用バス等で移動する場合の負担が少ない首都圏との近距離、さらには、疲労回復に効果的な温泉といった回答をいただいております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、本市が有するスポーツ施設にはどのようなものがあるでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 主に大規模のスポーツ大会などを誘致するための公設の主な施設で申し上げますと、屋内競技ではいわき市立総合体育館、南部アリーナ、屋外競技ではいわき陸上競技場、平テニスコート、いわきグリーンスタジアム、いわきグリーンフィールドなどがあり、さらにこのほかに、マリンスポーツ等ができる会場としまして、いわきサンマリーナがございます。 ◆13番(岩井孝治君) さまざまな公設の施設があって、それを利用、アピールしていくということであると思いますが、本市にはいわゆる公設の施設ばかりでなくて、私設のスポーツ設備もあるわけであります。本市が有するスポーツ施設の中で、他市と比べてまさっているものにゴルフ場が挙げられると思うのですが、市内15カ所のゴルフ場を最大限に生かしまして、例えば、ジュニア世代を対象にした合宿誘致などは効果的と考えますが御所見をお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) ゴルフ場を利用した合宿の誘致につきましては、実現の可能性が非常に高いと考えておりますことから、福島県浜通りゴルフ場協議会などの関係者と今後協議してまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、その窓口についてでありますが、いわきフィルム・コミッション協議会の場合はいわき商工会議所がその機能を果たしておりまして、その活動ぶりには目を見張るものがあるわけです。先日の新聞報道でも、いわきは映画の都のタイトルで記事がありました。これは映画『フラガール』の影響が大きいと思われるわけですが、今月19日から映画『僕の彼女はサイボーグ』のロケが行われますが、その映画会社のトライストーンのキャスト担当北田由利子さんは、フラガールの制作に携わった知人から、いわきはエキストラが集まりやすいし、フィルム・コミッションがしっかりしていると聞いた。そういう情報は業界内ではすぐ回るとコメント、また、いわきフィルム・コミッションの正規担当者は2人だけで、荷物運びなどの雑用をこなす主力は15人ほどのボランティアスタッフ、そのフットワークの軽さと意欲の高さも売りだと評価しておりました。いわきは、ロケ地として業界内では相当評判になっているわけであります。 歯車は、回り始めるときには力が必要ですが、回り始めると簡単に回ってまいります。当局におかれましては、そういったノウハウは十分お持ちでしょうから、それらを生かして事業の推進を図っていただきたいと思っております。 そこで伺います。スポーツ・コミッションの窓口はどのように考えているのか、お聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) スポーツ・コミッションの窓口につきましては、フィルム・コミッションと同様に、主催者側の手続の円滑化や負担を軽減させる効果があり、窓口の一元化は必要であると考えております。今後、窓口の設置やその業務範囲、関係機関との役割分担やネットワークの構築等につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、本市のスポーツ・コミッション、これからどのように売り込んでいくのかお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) スポーツ・コミッションの推進につきましては、まずは市内のスポーツ団体等によく理解していただき、そこから口コミ等により県外などに広げることが重要であるという意見をいただいております。こうしたことから、来年度においては、対応可能な情報を掲載した誘致パンフレットを実証的に作成するとともに、スポーツ関係団体への配布並びにアンケート調査を実施しながら、誘致を図るためのより効果的な宣伝手法について検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) スポーツ・コミッション事業が本市の名物として花開くことを期待しておりますが、市民の皆様及び関係者に対して、気概を誘導できるような意気込みをお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) スポーツ・コミッション事業は、海・山・温泉、さらには宿泊施設など、本市の恵まれた地域特性を生かして、全国規模のスポーツ大会やスポーツ合宿の誘致を目指すものでございます。この事業によりまして、観光交流人口の拡大、地域の活性化、スポーツ技術の向上、さらには、いわき市の全国への情報発信といったさまざまな効果が期待できる事業であると考えております。 このようなことから、今後は、庁内はもとより、関係団体等との連携体制をより一層強化しながら、全国的な評価をいただけるようになりつつあるフィルム・コミッション事業に負けないように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 我々も応援しておりますので、フィルム・コミッションに負けないように頑張っていただきたいと思います。 3点目は義務教育についてであります。 もとより義務教育は、保護者が学齢期の人を小・中学校などに通学させ、教育を受けさせる就学義務、市町村の小・中学生を就学させるための施設を設置する学校設置義務、国は授業料を無償とし、貧困家庭には就学援助制度を適用する就学保障義務、事業所は義務教育の対象となる児童を労働者として使用してはならないとする避止義務、この4つの義務によって日本の義務教育が成り立っておると考えております。 義務教育をどう理解しているかは、人それぞれいろいろとらえ方があるようであります。しかし、法の定めのもとにある義務教育の理解に違いがあってよいものでしょうか。問題は、教育を受けさせる保護者の義務について誤解があるのではと感じております。一部の保護者には、この義務は子供が負う義務であって、保護者が負う義務ではないと理解し、また、子供たち本人も自分にその義務があると勘違いしているのではないかと心配をしております。この誤解は、歴史的な背景と関係しているのかもしれません。 戦前の義務教育は、兵役・納税と並んで、国民が国家に対して負う義務というふうに観念されていたからです。よもや、今現在、子供の教育に当たっている保護者の世代がこのような古い観念にとらわれているとは思いにくいのですが、私自身、ある時期まで古い義務教育観念を正しいと思っていましたから、もしそういった誤解があるのであれば、正しい理解を促すべく対策を練っていくべきと考えますが御所見をお聞かせください。 ◎教育長(砂子田敦博君) 義務教育につきましては、日本国憲法第26条におきまして、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するとありますが、同時にその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふとあります。このことから、保護者は、子供を保護するという意味について十分に理解を深めることが必要であると考えております。また、教育基本法第10条におきましては、父母その他保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであると規定されております。 これらのことを踏まえ、各小・中学校におきましては、PTA集会や学年・学級懇談会、学校行事の際、さらには、学校だよりや学級通信などを通して、親の養育義務放棄や給食費未納の問題なども含め、保護者として果たすべき義務や責任などについて、継続的に理解を求めているところであります。 ◆13番(岩井孝治君) 4点目は、ゆとり教育世代についてであります。 ゆとり教育は今、あらゆる意味で世間に話題を提供しております。その多くは批判的なものです。学力の低下、校内暴力、不登校、さらにはいじめまでゆとり教育が原因だという意見まであります。まるで坊主憎けりゃけさまで憎いの様相を呈しております。 そもそも、ゆとり教育はなぜ始まったのでしょうか。それは、詰め込み教育、偏差値教育に起因するさまざまな問題に対応する教育が必要だったからではないでしょうか。また、教育にとって重要なのは、物事の本質をとらえることであり、本質軽視の教育から本質重視への教育への転換が求められたからではないでしょうか。 そこで、まず伺います。いわゆるゆとり教育のここまでの経緯についてお聞かせください。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま御指摘のとおり、受験競争の加熱化、あるいはいじめ・不登校が社会問題となりまして、昭和52年の中央教育審議会答申において、今後の教育のあり方として、ゆとりのある、しかも充実した学校生活が送れるようにすることが提言されたところであります。それを受けて、学校裁量の時間を生かした豊かな体験活動や文化活動などを取り入れた創意の時間が創設され、児童・生徒にゆとりの中で基礎・基本の確実な定着を図ることがねらいとされました。 その後、平成10年のOECDの調査結果を受け、児童・生徒が主体的に学ぶ意欲が極めて低いなどの課題解決のために、中央教育審議会の答申において、子供たちが主体的に学び、生きる力を培うゆとり教育が提言され、それを受けて、平成14年に総合的な学習の時間が完全実施されたところであります。 そして、現在は、平成16年12月に公表されましたOECDの学習到達度調査の結果により、読解力低下などの指摘を受け、教育再生会議の答申において、新たにゆとり教育の見直しが進められているところであります。 ◆13番(岩井孝治君) 私は、ゆとり教育を擁護する立場でここに立っているわけではありません。しかし、ゆとり教育をすべて否定するものでもありません。ゆとり教育の理念は残しながら、その実践の中で見直すべきは真摯に見直すべきとの立場をとるものであります。 そこで伺います。ゆとり教育見直しの現状はどのようになっているでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) 現在、授業時間や学習内容が削減されたことに伴いまして、児童・生徒の学力低下が懸念され、学習指導要領の改訂作業が進められておるところであります。これらを見守りながら、これまで指導してきた、健やかな体、豊かな人間性、確かな学力を柱とする生きる力は、21世紀をたくましく生きる児童・生徒を育成することには変わるものではないことから、今後とも、児童・生徒に確かな学力を身につけるよう指導してまいりたいと考えておるところであります。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、教育長、ゆとり世代という言葉を聞いたことがおありでしょうか。フリー百科事典によりますと、ゆとり世代の定義は次のようなものであります。ゆとり世代とは、主に義務教育においてゆとり教育を受けた世代を指します。2007年現在、ゆとり教育を受けた1980年代後半生まれの世代は大学生になっているが、ゆとり教育により若者の学力の低下がもたらされたという見解と重なり、おおむね蔑視の要素の強い用語ということになっておるわけでありまして、何か釈然としないものがあるわけです。 教育長、どうか、このゆとり教育を受けた世代の子供たちに対して、ゆとり教育が抱えている幾つかの問題を自覚する必要はあるにしても、さげすまれたり見下されたりするということに対しては異議を唱え、希望と勇気を与えるようなメッセージをいただければと思いますがいかがでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) 確かに、そういった傾向があるものはあると思います。しかし、人間の成長過程におきましては、やはり受験勉強なら受験勉強なりという圧縮された中で、あるいは締めつけられた中で、なかなか成長というのは伸びないと。そうすれば、やはりゆとりを持って教育を受けること、ゆとりを持って学習をすること、そのことが成長につながる。したがって、やはりそういう気持ちで学習に励んでいただきたいと、こんなつもりでおります。 ◆13番(岩井孝治君) 私の娘がちょうどその世代でありまして、今の言葉を伝えたいと思います。 大きな質問の2番目は、市職員の退職金についてであります。 職員の退職金につきましては、平成13年3月定例会の初登壇のとき、そして平成17年2月定例会の2回にわたり質問をさせていただいております。平成13年には退職金の積み立てについて質問し、退職手当のための基金の活用を提案し、平成17年には団塊の世代の方々の大量退職が目前に迫り、その手当ては大丈夫なのか、また、それによって市民サービスの低下を招くことはないのかを心配し質問いたしました。いずれの答弁も、本市におきましては、中・長期的な財政見通しのもと、退職手当の財政需要も念頭に置きながら、計画的な財政運営を図っておりますことから、当面は現行どおり、年間予算の中で対応できるものと考えておりますというものでありました。つまり、平たく言えば、心配御無用という答弁だったわけであります。 伺いますが、この方針は今現在も変わりないのでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 今、議員さんが述べられたことをそのまま述べるような形になりますけれども、本市の退職手当につきましては、これまで中・長期的な財政見通しのもと、退職手当の財政需要も念頭に置き、計画的な財政運営を図りながら、年間予算の中で対応してきておるところでありますけれども、今後につきましても、その基本的な考え方にのっとり、本市の行財政環境も見据えながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) ただいま答弁にありましたように、計画的な財政運営であるとか、現行どおり年間予算の中で対応という中身には、借金も入っているということでよろしいんですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、中期財政計画を策定いたしまして財政運営を図っているわけですけれども、一時的な財政の補てん措置といたしまして、起債を起こし、それで行財政運営をするということはこれまでもやってまいりましたし、これからもあろうと思います。 ◆13番(岩井孝治君) 一般的には納得できにくいというか、わかりにくいわけであります。この退職金の問題は前もってわかっている現象でありますから、何の準備もせず、そのときになって慌てて借金で問題を整理するような仕事ぶりを見ておりますと、市民の間からは、役所はいいなとのため息や役所は何をしているんだという怒りの声も聞こえてまいります。どうか、本市の行政運営が市民の皆様の感覚と離れたところに行かないように願っております。 次に、退職手当債についてであります。 今定例会では、この退職手当債につきまして何度となく説明をいただき、内容につきましてはおおよそ理解できております。つまり、借金は借金だけれども、後々人件費の削減効果額でもって穴埋めできますから、心配するような借金ではないということらしいのです。しかしながら、やはり借金は借金に間違いありませんので、退職手当債の発行は後世へのツケ回しであると考えられますことから、中期財政計画で示した将来世代への責任を果たす財政運営との整合性についてお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 中期財政計画におきましては、国の三位一体改革に伴います一般財源の大幅な減少に対応し、市民サービスの急激な低下に配慮しつつ、将来世代への責任を果たす財政運営を図るため、行財政改革の効果額を償還財源として行政改革推進債の発行を予定していたところでございます。 今般、国の制度変更によりまして、行財政改革のうち人件費削減に係る効果額につきましては退職手当債に振り替えられたことから、平成19年度の当初予算におきまして退職手当債を発行することとしたものでございます。 おただしの中期財政計画の基本理念との整合性につきましては、退職手当債の活用は厳しい財政状況下における財源不足を補い、市民サービスの水準を確保することを目的としたものであり、その償還財源につきましても、定員適正化計画に基づく職員数の削減による効果額を充てるものでありますことから、将来世代への責任を果たす財政運営という中期財政計画の基本理念に合致するものと考えてございます。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、本市が退職手当債の発行を決断されたその理由はいかなるものなのか。国の方針だから、あるいは助け船に乗るような気持ちで判断されたのか、それはわかりませんけれども、何かほかの方法は考えられなかったでしょうか。知恵を出し合い、工夫を凝らすといった作業はなかったのでしょうか。 素人考えで甚だ申しわけありませんが、例えば、現物支給などはどうでしょう。今定例会でも、普通財産の処分について質疑がありましたが、現金より土地の方がいいという職員の方には、土地で賄うといった方法はとれないでしょうか伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 退職手当の支給方法につきましては、地方公務員法及び労働基準法の規定により、通貨払い、直接払い、全額払いの3つの原則が適用されるものでございます。そういうことで、分割払いなどの取り扱いにつきましては困難であると考えてございます。 市といたしましては、これまでも、給与制度の適正化を図るために、退職時の特別昇給制度や管理職員の特別勤務手当の廃止、それから特殊勤務手当の全面的な見直し、給料表水準の平均4.8%の引き下げ、さらには、枠外昇給制度の廃止等を盛り込んだ給与構造改革などを実施してきておるわけでありますけれども、今後とも、定員適正化計画に基づく職員数の削減や給与制度の見直し等を図って、総人件費の抑制に努めながら、持続可能な財政基盤の確立を目指してまいりたいと考えてございます。 ◆13番(岩井孝治君) 分割払いの質問はここで出るところだったんですが、もう答弁が出てしまいましたのでそれは結構ですけれども、素人考えですけれども、分割払いにすれば、支払いの総額は変わらなくても、単年度の資金繰りは楽になるのではないかという考えから分割はどうかなと思ったんですが、もう答えは出ておりますので結構です。 本市には、財政調整基金と言われる、いわば貯金があるわけですが、それを取り崩して退職金に充てることはできないでしょうか。貯金を使わないで、借金することが効率的かどうか考えるべきと思います。退職手当債の利率はどの程度かわかりませんが、恐らく利率の高い借金をしながら、利率の低い貯金をすることになるのではないでしょうか。財政調整基金の考え方をお聞かせください。 ◎財政部長(陸川克己君) 財政調整基金は、年度間の不均衡なり年度間の財政上のばらつきを一定程度カバーするために積み立てている状況にございます。今、議員おただしの、今回、平成19年度予算でいけば、財政調整基金を退職手当債に充てるということはできなかったのかということでございますけれども、それをやることによりまして、財政調整基金の残高、こちら来年度以降の財政運営上支障が出ると。こちらについては、中期財政計画である程度の残高をお示ししてございますが、今回、例えば退職手当債の額まで基金を崩したとするならば、来年度以降の財政運営に非常に支障が生じるという結果になりますことから、そのような取り扱いとさせていただきました。 また、先ほど答弁でもお答えさせていただいておりますけれども、今回の行革債から一部退職手当債に、一部といいましても、行革債よりも退職手当債の方が額が大きくなったわけでございますが、それはあくまでももともとの中期財政計画で計画しておりました行革効果を償還財源として、地方債で132億円ほど5年間で発行しようとしていたものが、国の制度変更により、結果といたしまして行革債・退職手当債でも不足しますので、地域再生債等の起債によりまして132億円の5年間の発行予定だったものが127億円の発行に変わったということでございますので、その辺は御了解いただきたいと思います。 ◆13番(岩井孝治君) 了解できないこともありませんけれども、市民感覚としましては、理解が難しいかなという面もあります。 今定例会で盛んに飛び交う言葉に地方分権、地方自治、自主・自立のまちづくりがありますが、今回の退職手当債につきましては、まさに国におんぶにだっこ。当局が言うところの職員数の削減や人件費の削減に取り組んでいるからこそ発行できるとの要件を割り引いても、困った時の国頼み、これでは地方の誇りや地方の独自性、知恵や工夫、その心意気も感じることはできないのではないでしょうか。苦言を呈しているように聞こえるかもしれませんが、これは私の声であると同時に市民の声でありますから、しっかりと受け取っていただきまして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、消防行政についてであります。 まず、災害時要援護者支援制度について伺います。 この制度は、ひとり暮らしの高齢者や重度の障がいを持つ人などを災害時などに地域で支えようとの考えのもと、大地震などの災害の際に自力で避難することが困難な人の情報をまとめた登録台帳を作成し、各地域の支援者や自治会、自主防災組織に情報を提供し、支援に役立てるものと聞いておりますが、この制度を実施する背景についてはどのようなことがあるのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成16年に発生した新潟県等の豪雨災害や新潟県中越地震等の大規模災害において、高齢者等、自力避難が困難ないわゆる災害時要援護者について、避難のおくれ等による大きな被害が認められ、こうした方々の避難誘導策の具体化が全国的な課題となっております。このため、国は全国の市町村に災害時要援護者避難支援プランを作成し、災害時要援護者避難支援策の具体化に積極的に取り組むよう求めております。 本市の場合、平成元年の小川地区における水害を最後に、大規模な災害は発生しておりませんが、高齢化・核家族化の進行に伴い、災害時に自力で避難することが困難な市民は確実に増加していることから、福祉部門と防災部門が連携して、災害が発生した場合に的確に支援を行う体制を整備することとしたものであります。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、災害時要援護者支援制度の概要について伺う予定でしたが、昨日の小野茂議員の質問と重複いたしますので割愛させていただきます。 2点目は、消防団の現状と課題について伺います。 消防団の皆様におかれましては、常日ごろからみずからの地域はみずから守るという郷土愛精神のもと、防災の最前線にあって市民の身体・財産を守るため、昼夜を問わず献身的に御尽力されていることに対しまして心から敬意を表します。 さて、消防団の抱える問題として、全国的にも言われておりますのは人員減少、高齢化、昼間における消防力の低下、また、都市化による住民の連帯意識の希薄化や過疎地域での若者の流出に伴って、消防団員数は減少傾向にあります。それに伴い、高齢化も進み活動能力の低下も懸念されております。また、企業や事業所に勤務するいわゆるサラリーマン団員の割合がふえるにつれて、特に昼間における消防力の低下が懸念されております。このような現状を踏まえ幾つか質問いたします。 まず、高齢化については、本市においても問題になっているのでしょうかお聞かせください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 消防団員の平均年齢は、平成18年4月1日現在38.8歳となっておりまして、5年前と比較いたしますと1歳上昇してございます。上昇の傾向にはありますけれども、現時点で高齢化ゆえに消防団活動に大きな支障が発生しているという状況にはございません。 ◆13番(岩井孝治君) 今のところさほど心配はないということでしょうけれども、全国の例を見ますと、いずれやってくるその心配ということでありますから、以下、質問を続けますが、その解決策として挙げられるのが、若い世代の入団の促進であると思っていますが、現実としてなかなか困難であると聞いております。そこで、若い世代に対して、消防団の魅力の発信の仕方として何かよいアイデアがないものかと思うのですが、例えば特典を与えるといった方法はどうでしょう。例えばですけれども、利用料金が発生する公共施設においては、その利用料を減免する制度などはどうでしょうか。 昔であれば、消防団のはっぴ姿にあこがれ、それにそでを通すのが夢ですといった若者もいたでしょうが、今やはっぴや制服の支給は余り魅力とは映っていないようであります。若い世代に対しての魅力の発信について考え方をお示しください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 若い世代にとって魅力ある消防団とするために、平成16年から2年間をかけまして、濃紺の作業服や帽子を改めまして、若い人へも受け入れられやすい斬新な活動服やアポロキャップを採用したところでございます。今後につきましては、若い人が率先して入団したいと思うような、魅力ある消防団のあり方について調査・研究してまいりたいと考えてございます。 ◆13番(岩井孝治君) 若い世代の入団こそが高齢化を解消する切り札でありますので、真剣にお考えいただきたいと思っております。 次に、サラリーマン団員についてであります。 企業や事業所に勤めながら消防団活動を続けることは、本人にとりましても、企業・事業所にとりましても大変なことと思慮しております。そして、団員にとりまして何よりの関心事は、企業・事業所の理解の有無ではないかと思っております。理解あってこそ存分に消防団活動ができるわけですが、現実にはその理解が得られなかったり、消防団と仕事とどっちが大事なんだということを問われたり、厳しいものがあるようです。 そこで、企業・事業所の理解を深める観点から、何がしかの働きかけが必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 当市の消防団におけるサラリーマン団員の占める割合は、現在約71%となっており、増加傾向にございます。このようなことから、消防団活動を円滑に遂行するためには、団員が勤務する事業所の御理解・御協力をいただくことが不可欠であると考えておりまして、これまで事業所に対する働きかけの一環といたしまして、毎年実施しております消防操法大会の際に、出場する選手が勤務する事業所への協力依頼を行ってきたところでございます。 今後につきましては、昨年の11月から総務省の消防庁が推進しております、消防団活動に協力する事業所の社会貢献を評価いたしまして、消防団協力事業所表示証を交付する制度があるわけでございますけれども、その導入につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、具体的な話を申し上げますが、企業・事業所に対して理解を得る動機づけといたしまして、団員を有する企業・事業所については事業所税の軽減などの措置をとるといったことはできないものでしょうかお考えをお示しください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 消防団員を雇用しております事業所への税制支援につきましては、消防団活動に協力していただく有効な手段の一つとは考えておりますけれども、課税の公平性の原則とか税財政制度全体の整合性の確保を考えますと、解決すべき課題が多いものと受けとめております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、火災現場での情報集約について伺います。 火災現場では、目まぐるしく変わる状況の中で、情報の果たす役割は非常に重要になってまいります。情報は現場での団員の消防活動に大きく影響を与えます。情報により、変化に素早く反応することが可能になり、場合によっては二重三重の作業を回避することも可能になってまいります。そういった意味からも、常備消防だけでなく、消防団におきましても連絡用無線の各班ごとの配備が必要と考えます。特に、中山間地区を多くカバーする地域については、携帯電話は無力と聞いております。考えをお示しください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、消防団車両には、消防本部からの無線による指示や現場状況が受信できる受令機を装備しておりますけれども、常備消防と非常備消防、あるいは非常備消防同士の相互通信可能な携帯無線機は配備しておりません。火災現場におきましては、常備消防の現場指揮者が携帯無線機を所持しておりまして、消防団員と一体となった活動を行いますことから、情報伝達はおおむね可能な状況にあるものと考えてございます。 ◆13番(岩井孝治君) これは、現場で消防活動に当たっている団員の方々の声でありますから、現場ではそういったものが絶対に必要だという意識をお持ちのようであります。どうか、さらなる御検討をお願いしたいと思います。 次に、団員の携帯電話への配信システムについて伺います。 現在行われております火災情報配信システムを拡大し、団員3,800名全員に配信するお考えはありますか、お聞かせください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 現在、火災情報のメール配信は、消防関係者及び幹部消防団員へのみ配信を行っているところでございます。しかしながら、現有のメールサーバーの容量及びシステムの関係で、全団員への火災情報メール配信は困難な状況になっておりますことから、今後、新たなシステムの構築に向けまして検討してまいりたいと考えてございます。 ◆13番(岩井孝治君) 3点目は、女性消防クラブについてであります。 先ごろ、非常にうれしいニュースに触れました。防災まちづくり大賞の受賞であります。これは、総務省消防庁が主催するもので、下綴女性消防クラブが住宅防火部門の日本消防設備安全センター理事長賞を受賞したというものでありまして、防火寸劇や聴覚障がい者に向けた手話による防災講習など、地域に根差した活動が認められての全国レベルでの受賞であります。下綴女性消防クラブの皆様の日ごろの活動に対しまして、心からお祝いを申し上げるとともに、敬意を表する次第であります。 さて、女性消防クラブですが、結成の経緯についてお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 女性消防クラブにつきましては、昭和37年の国の住宅防火の方針に基づいて結成された家庭の主婦などによる民間防火組織でありまして、住宅を火災から守るために、火災予防知識の習得や初期消火訓練などを行うこととされております。 本市におきましては、同年、川前地区に最初の女性消防クラブが誕生し、その後、中山間・沿岸地域を中心として結成が相次ぎ、今日まで、勿来、四倉、遠野、田人、三和、内郷、久之浜及び小名浜地区に、9団体が組織されております。これらの女性消防クラブには、平成19年2月末現在1,756名のクラブ員が所属し、家庭の防火にとどまらず、地域における防火活動などをも展開しております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、最近よく耳にします女性消防団員との違いについてはどのようになっているでしょうか伺います。 ◎消防長(木村清君) 女性消防クラブは自主的に運営される民間ボランティア組織であり、クラブ員は無報酬で活動しております。一方、消防団の構成員である女性消防団員は非常勤特別職の地方公務員の身分を有し、報酬及び火災、訓練出動等に対しましては手当が支給されることとなっております。 ◆13番(岩井孝治君) この項4点目は、女性消防団員の入団についてであります。消防団員数の減少が近い将来訪れる中、女性消防団員に注目が集まっているようですが、その入団についてはどのような考えをお持ちでしょうか伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 女性消防団員につきましては、災害時には避難住民の誘導を初め情報収集などの後方支援活動、また、平常時には災害弱者や地域社会に対する火災予防の広報・啓発活動などが期待されることから、消防団活動に女性の能力を活用することは有効であると認識しております。 ◆13番(岩井孝治君) 大きな質問の4番目は、性感染症についてであります。 1点目は、これまでの取り組みについて伺います。 私は、平成15年12月定例会において、性教育及び性感染症について質問をしております。望まない妊娠の増加、それに伴う人工妊娠中絶の増加、性感染症の増加、しかもそのいずれもが低年齢化を呈していることに危機感を覚え、警鐘を鳴らす意味も込めて質問をいたしました。その後、議員活動の中で、事あるごとにこれらの現状を伝え、その予防に努めるよう訴えてまいりました。 まず、伺います。性感染症に対する本市の取り組みはどのようなものだったでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市の性感染症に対する取り組みとしましては、小・中学生から大学生等までを対象に、各学校に出向いて行う思春期保健講座及びエイズ等性感染症予防教室を実施しております。また、一般市民を対象として、エイズに関する知識の普及・啓発を行うため、エイズデー講演会、エイズ街頭キャンペーン等の実施とあわせ、罹患を心配する市民を対象にしたエイズ相談の開催、HIV抗体検査等を実施しております。さらには、平成18年度から、新たに乳幼児を持つ保護者を対象に、性に関する正しい情報に触れる機会としておやこ性教育教室を実施しております。 なお、各学校において、独自に計画的な実施体制が図れるよう、教育委員会等の関係機関と連携をとりながら情報の提供や教材の貸し出しを行ってきているほか、養護教諭を初めとする学校教諭を対象にした研修会及び連絡会等を継続的に開催しております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、学校教育における性教育の中ではどのように取り組まれてきたのか伺います。 ◎教育部長(山田満君) 小・中学校における性教育につきましては、児童・生徒のそれぞれの発達段階に応じて行うこととしておりまして、性感染症の予防に関しましては、中学校3年生を対象に実施しております。その指導例で申し上げますと、現在は、一般的な基礎知識に加え、県内や本市の状況を示すとともに、感染症を広げている原因や日常生活に置きかえた予防のための行動についてそれぞれ考えさせるなど、従来よりも一歩踏み込んだ形で実施しております。 また、子供たちの性といのちの教育には、学校・家庭・地域が連携した取り組みをすることが必要でありまして、関係機関の協力をいただきながら、思春期保健講座や教育講演会等を開催するとともに、保護者との共通理解を深める家庭教育資料の配布など、必要に応じて実施しているところでございます。
    ◆13番(岩井孝治君) 2点目は、性感染症の現状についてでありますが、現在どのような状況になっておるでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 性感染症は性行為によって感染するすべての疾患を指しますが、代表的な6つの疾患が感染症法に規定され、発生動向を調査することとなっています。そのうち、エイズと梅毒については県内の全医療機関から、それ以外の4疾患については市内3医療機関を含む県内16の定点医療機関から罹患者数が県に報告されます。 罹患者数については、県や市のレベルでは年によってばらつきがございますので、全国の数値で申し上げますと、平成14年をピークとして徐々に減少してきております。また、年代別の状況を見ますと、10代後半から20代の罹患者が多く、平成18年の状況で申し上げますと、国においては全罹患者の54.7%、県は62.2%、本市は48.3%が10代後半から20代の罹患者が占めております。 ◆13番(岩井孝治君) 今いただいた数字は、3年前と比較しますと、いい傾向という理解でよろしいんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 3年前よりは若干下がっているという状況となってございます。 ◆13番(岩井孝治君) こういった現状を踏まえ、今後どのように取り組まれるのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 性感染症に対する今後の取り組みとしては、前段お答えしましたとおり、若年者の罹患者が若干多いということでございますので、中・高生や若者への正しい知識の普及・啓発活動が重要であると考えております。今後も、若年層を中心に、市民の方々が性感染症から身を守れるよう、各学校における性教育やエイズ予防教育、おやこ性教育教室等を通して、性感染症の減少に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) 次に、学校教育における性教育の中では、今後どのような対策を講じるのかお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 児童・生徒の性といのちの教育を行うためには、深刻化する未成年者の性の逸脱行動や性感染症及び人工妊娠中絶の増加などの、性に関する健康問題を適切にとらえた指導を行うことが大切であると考えております。 今後につきまして、保護者との共通理解を図りながら、保健所と連携した保健講座や専門医師による教育講演会を積極的に開催するなど、学校・家庭・地域が連携した取り組みを進めていくことが大事だと考えております。 ◆13番(岩井孝治君) これらの問題につきましては、各個人の人格にかかわる、また、プライベートにかかわる問題であるわけですから難しい面があるとは思いますが、正しい知識・情報がなかったがために不幸な目に遭うということがないように、ただただ祈るばかりでありますし、たった一つしかない体を侵しかねない状況を一日も早く取り払うべく、さらなる御努力を請い願いながら次の質問に移ります。 最後の質問は、総合磐城共立病院へのAED設置について伺います。 先日、共立病院を訪れた際、エレベーターをおりますと目の前にAEDが設置してありました。直感的に浮かんだ思いは、なぜ。共立病院には医師はもちろんのこと、看護師、職員の方々がおりますし、医療機器として恐らくAEDよりも性能の高い除細動器があるはずですし、万が一のことが起きた場合であっても、既存の設備で対応できるのではないか。そういった施設に、輪をかけてAEDを設置する必要があるのだろうかと疑問に感じたからです。 そこで伺いますが、設置の理由はどういったところにあるのでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) AEDは、突然の心停止に対しまして、通電処理を施すことで蘇生を行う医療機器であります。また、通常医療機関で使用する除細動器とは異なりまして、専門知識なくしても使用可能でありますことから、いわゆる救命率の向上を図る上で極めて重要であると認識してございます。したがいまして、医療機関である総合磐城共立病院におきましても、AEDの必要性につきましては、入院患者はもとより、外来患者あるいはお見舞い等に訪れる方々などが心停止の緊急事態に陥った場合におきまして、何よりもまず迅速な応急処置が求められることから、院内各所への設置が望ましいものと考え設置したものであります。 ◆13番(岩井孝治君) 設置台数は何台になりますでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 台数につきましては、現在13台でございます。 ◆13番(岩井孝治君) 見たところ、いわゆる公共施設36カ所に設置したAEDとは違いがありまして2層式になっておるわけですが、それはどういった理由なのかお聞かせください。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 2層式となっている意味につきましては、AED本体のほかに、使用する状態から、医師・看護師等が緊急に救命処置に使用する機器等の格納に配慮しまして、2層式のもの設置しているものであります。 ◆13番(岩井孝治君) 1台当たりの単価は幾らになっているでしょう。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 1台当たり、税別で55万7,000円でございます。 ◆13番(岩井孝治君) 公共施設36カ所に設置したAEDの単価は20万円を切っているというところでありますので、ちょっと高価なという印象はあります。 次に、本市は平成18年度の新事業として、公共施設への導入ということで、36カ所の施設へAEDを設置しました。さらに平成19年度におきましては、市内44のすべての中学校へ設置を予定しております。こういった流れを見ますと、今後においてもその設置が計画的に進められるものと思慮しており、大変結構なことと理解しております。 伺いますが、公共施設36カ所への設置と共立病院の設置には、考え方に何か違いがあるのでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院へのAED設置につきましては、あくまでも救命率の向上を図るため、医師等の到着以前に迅速な救命処置を行えるよう設置しているものでありまして、基本的には、今、議員がお話になりました他の公共施設における設置と同様の性格であるものと考えてございます。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。            午後2時01分 休憩           ------------            午後2時30分 開議 △蛭田源治君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番蛭田源治君。          〔1番蛭田源治君第二演壇に登壇〕 ◆1番(蛭田源治君) (拍手)1番、いわき市議会志政会の蛭田源治であります。 ことしの冬が記録的な暖冬であったことは、皆さん御存じのとおりであります。東京では初雪を観測しないうちに春一番が吹いたり、福島ではウグイスが1カ月も早く初鳴きをしたり、平均気温は、全国153観測地点のうち約半数の75地点で観測史上最高を記録したりと、例を挙げれば切りのないほどの観測史上トップ級の暖冬だったようであります。 大変寒がりの私には過ごしやすい冬でありましたが、心配なのは各地の降雪量も観測史上最少であったということです。それは、過去の例ですと、雪が少なかった年は、水田に水が必要となる時期から夏にかけて水不足になったことが多いからであります。また、暖冬の年の夏は寒い夏になることも多く、農作物の冷害が心配されるところでございます。こんな心配が杞憂に終わるよう、そして稲を初めとする本市の農作物がことし順調に生育することを願いながら、以下、通告順に従いまして市政に対する一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、子供の教育等に係る自己負担の未納問題についてであります。 本市で徴収している子供の教育などに係る自己負担には、市立の小・中学校の給食費、市立幼稚園の授業料、そして市内の保育所における保育料があります。 まず、1点目として、市立小・中学校の給食費の未納についてお伺いいたします。 去る1月24日、文部科学省から全国小・中学校における学校給食費の未納状況の調査結果が公表されました。それによりますと、平成17年度の全国の小・中学校のうち約44%の学校において、学校給食費の未納問題が生じていて、未納者数は約9万9,000人、金額にして約22億3,000万円もあるとのことでありまして、児童・生徒の実に100人に1人の割合で未納問題が生じているという結果であります。この調査は平成17年度分だけのものであり、それ以前の未納分を合わせると、今回公表された数字は氷山の一角だとも言われております。 学校給食は、古くは明治22年に山形県鶴岡市の小学校で、貧困児童を対象におにぎりを配ったのが最初とされていますが、今の制度がスタートしたのは昭和22年で、食料不足や貧困による栄養摂取不足を防ぎ、最低限の栄養価をすべての子供が摂取できるようにとの意図で始まりました。食料があふれ飽食の現在では、好きなものしか食べないといった偏食を是正し、発達段階にある児童・生徒に栄養バランスのとれた食事を提供し、心身の健全な発達や、食事について正しい理解と望ましい習慣・マナーを養うといった重要な役割を持った事業であります。私は、さらに明るく楽しい給食の時間を共有し、社交性を養うのも学校給食であると考えています。年々深刻化しているという未納問題を目の当たりにしたとき、学校運営や学校教育における食育推進にも大きな影響があるものと危惧するものであります。 学校給食費は、学校給食法により、運営経費のうち、施設設備費や人件費以外の食材費などを保護者が負担すると定められています。本市の場合、給食費は小学校が月3,450円、中学校が月4,020円で、この金額は平成10年度からずっと変わっていないということでございます。 そこで、本市の学校給食費の未納状況について伺いますが、まず、過去3カ年の単年度分の未納状況についてお示しください。 ◎教育部長(山田満君) それぞれ単年度分の未納の状況について、未納額、未納率、未納者数の順で申し上げますと、平成15年度は970万9,973円、0.61%、383名、平成16年度は950万2,829円、0.61%、412名、平成17年度は859万8,181円、0.55%、365名となっております。なお、未納者数は、1カ月分でも未納がある場合の児童・生徒を対象として集計してございます。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、本年度に繰り越した未納額をお示しください。 ◎教育部長(山田満君) 本年度に繰り越しました累積未納額は、合計で3,800万800円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) ただいまの答弁で、約3,800万円ですか、かなりの額になっていますが、なぜ、未納がこのような額になったかその原因についてお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 主な原因と考えられますのは、1つには経済状況や集金方法の変化によるもの、2つには保護者の払わなければならないという規範意識の低下にあると考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 今回の文部科学省の調査結果に、未納の主な原因の60%が保護者の責任や規範意識でありまして、保護者の経済的な問題は33%でした。この未納問題を報じた新聞には、親の意識の問題や親のモラルの低下を指摘する記事が多く出ていました。滞納を続ける家庭に育った子供たちが、やがて親がしていたことを知ったときのその心中を考えると、非常に残念な気持ちになるのは私だけではないと思うのでございます。 それでは、ここで市内の地区別の未納の状況はどのようになっているかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成17年度の未納率で申し上げますと、遠野地区が0.15%、平地区が0.36%、四倉地区が0.48%、常磐地区が0.53%、内郷地区が0.57%、勿来地区が0.65%、小川地区が0.76%、小名浜地区が0.79%、好間地区が1.23%となっており、三和、田人、川前、久之浜・大久地区は未納はございません。 ◆1番(蛭田源治君) それでは次に、生活保護者の未納状況についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 同じく平成17年度で申し上げますと、生活保護者の未納者数は49名で未納者全体の13.4%であり、また、同じく生活保護者の未納額は86万3,475円で未納者額全体の10.1%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 先日の新聞には、大阪市の市の職員15人が学校給食費などを納めていなかったと報道されていましたが、平成17年度において、本市職員に未納があるのかどうか、これは念のために伺います。 ◎教育部長(山田満君) 市職員の未納はございません。 ◆1番(蛭田源治君) 安心したところであります。 新聞記事には、集金方法にも未納がふえた原因があるのではないかとありましたが、本市の給食費の集金方法についてお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食費の集金方法には、現金での集金のほか、口座引き落としや口座振り込みがあり、学校においては、地域性やPTAの意向を踏まえながら、いずれかの手法を選択しているところでございます。なお、平成17年度の手法別の割合は、現金集金が57.1%、口座引き落としが38.8%、口座振り込みが3.3%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 本市の学校給食費の未納状況を確認させていただきましたが、決して楽観視できる状況にはないようであります。 それでは、こうした状況にあって、どのような対策を講じているのか何点か伺います。 未納額があるということは、単純に考えて歳入に不足を来すということになりますが、新聞報道によれば、その不足に対しては集金された範囲内で給食を実施しているために給食の質が低下してしまうとか、例えば、100人の児童がいて納めるのが90人だと90人分の給食費で100人分の給食をつくると、最後にはデザートが少なくなったりとか、全体のグレードを下げたりとか、そういった例もあるようでございますけれども、それ以外にも、未納額を学校長や教職員等が立てかえているなどの話も掲載されてありました。本市では、未納による不足分はどのように対応しているのかお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食は、学校教育における食育の中心的な役割を担う生きた教材でありまして、保護者との共通理解のもと実施するものでございます。また、学校給食費でございますが、学校給食法に基づきまして、必要な経費のうち食材費のみを保護者に負担していただいております。 本市では、これらの理念を踏まえ、未納等により学校給食事業の遂行に影響が生じないように、一般会計において歳入予算としての学校給食費と同額の食材費を歳出予算に計上しておりますので、未納により学校給食の質が低下することはございません。 ◆1番(蛭田源治君) 一般会計で歳入歳出の処理をしているということであれば、未納による不足分は一般財源で一時立てかえるということになるわけでありますが、公平・公正な事業運営のためにも、未納を解消する取り組みが今以上に必要であると思われます。しかしながら、学校は教育現場でありますので、教職員の本業に著しく影響が生じれば対応も難しいとも思われます。 そこで、未納解消対策についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食費の未納を解消するためには、未納保護者の規範意識の高揚を図りますとともに、月々の未納を見逃さない適切な取り組みが重要でございます。これまでの未納対策は学校で行うことを基本としておりましたが、教育現場であることに配慮しまして、平成16年12月に学校と教育委員会の役割を明記した学校給食費の滞納処理に関する事務取扱要領を定め、現在は、それぞれの役割を踏まえながら、効果的に連携した未納解消事務の推進に努めているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) 生活保護者にも未納があるようですが、それについてはどのような対策をお考えか伺います。 ◎教育部長(山田満君) 生活保護法に定める要保護者に対しましては、教育扶助費として学校給食費相当額が国から補助されております。しかしながら、補助されている学校給食費を継続して納付しない要保護者がおりますことから、関係部局と協議し、平成16年12月に学校長による教育扶助費の代理受納事務取扱要領を定め、現在、その制度の効果的活用を図りながら、未納解消に努めているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、現状における未納対策の成果はどのように認識しているかお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 平成16年12月以降、学校と教育委員会の連携のもと未納対策を強化してまいりましたが、それまで悪化の一途をたどっていた徴収率にも歯どめがかかり、平成17年度におきましては、わずかではありますが改善の傾向が見られますとともに、これまでの督促では全く反応がなかった過年度分の未納者においても分割により納付を開始するなど、一定の効果があらわれております。今後も引き続き、より効果的な未納対策を講じてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 現状における未納対策としては一歩前進しているという印象を受けましたが、今後、さらなる対策を講じていくことも必要と思われます。新聞報道によれば、全国で281の学校で法的措置を講じたとありますが、この法的措置とは具体的にどのような措置なのかお示しください。 ◎教育部長(山田満君) 学校給食費は、公会計、私会計の別を問わず、私法上の金銭債権として取り扱われております。したがいまして、督促や強制執行等の効力は民法上の規定が適用されますので、おただしの法的措置には民事訴訟法第382条に定める支払督促制度が該当するものと思われます。 当該制度は、簡易裁判所に申し立てをし、正式な裁判手続を行わなくとも、判決と同様に債務者に対して金銭などの支払いを命じる督促状が送付されますとともに、一定期間を経過してもなお支払いがない場合には、債務者の財産に強制執行することが可能となる制度でございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、本市においては、その法的措置を実施する考えはあるのかどうかお伺いいたします。 ◎教育部長(山田満君) 現在、未納保護者に対しましては、定期的に督促を行い自発的な納付を促しておりますが、再三の督促を行ってもなお納入の意思が確認されない場合には、負担の公平性を担保するためにも、法的措置を視野に入れながら、未納解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 学校給食費の未納問題の現状についてお聞きしてきましたが、本市では、今回の新聞報道となる以前から対策を講じられているということでございまして、その点、評価すべき取り組みと考えます。しかし、学校給食事業の円滑な運営と公平・公正な給食費の負担という観点から、さらに創意工夫を凝らし未納の解消に努められるよう切に要望いたします。 2点目の質問は、市立幼稚園の授業料の未納についてであります。 まず、本市の市立幼稚園の授業料の過去3カ年の単年度分の未納状況について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 市立幼稚園の過去3カ年分の単年度分の未納状況につきまして、未納金額、未納率、未納者数の順で申し上げますと、平成15年度は27万6,700円、0.39%、18人、平成16年度は19万8,800円、0.29%、9人、平成17年度は1万8,800円、0.03%、4人となっており、過去3カ年の合計では、合計未納金額が49万4,300円、平均未納率0.24%、延べ未納者数31人となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、その未納解消のための対策についてどのようなことを行っているかお聞かせください。 ◎教育部長(山田満君) 幼稚園授業料の未納に対しましては、幼稚園長を初め、教諭と教育委員会が連携して徴収に当たることを基本としております。幼稚園において、保護者と接する機会が多い幼稚園教諭が直接納付をするよう促したり、教育委員会による電話連絡、督促状の送付、あるいは家庭訪問等を実施することにより、未納解消に努めております。 ◆1番(蛭田源治君) 先ほどの学校給食費に比べれば、人数も少なく大変少額でありますけれども、さらに未納額がゼロとなるように、よろしくお願いしたいと思います。 3点目として、市内の保育所における保育料の未納についてお伺いいたします。 本市の保育料は、今まで質問した給食費や幼稚園の授業料のように一定額ではなく、父母の前年分所得税額を基本に決められ、3歳未満児、3歳児、4歳以上児のそれぞれに14階層の料金に分かれていますが、まずこの保育料の過去3カ年の単年度分の未納状況についてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成15年度の現年度分に係る徴収率は98.67%で、未納額は1,657万円、未納者数は280人であり、以下、平成16年度は徴収率98.21%、未納額2,204万8,000円、未納者数302人、平成17年度は徴収率97.99%、未納額2,620万3,000円、未納者数366人となっております。 なお、各年度における過年度未納分も含めた徴収率は、平成15年度92.42%、平成16年度93.22%、平成17年度94.04%となっており、改善が図られております。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、本年度に繰り越した未納額についてお示しください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本年度に繰り越した未納額は、7,523万4,000円となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 約7,500万円以上と、これは大分大きな金額になってくるなという感じですけれども、滞納率も滞納者も大変多いと感じます。未納額がこのような額に、多くなった原因についてお聞かせ願いたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育料は、前年の所得に応じて決定される制度となっていますが、未納者からは、現在の所得が減っているとか、就労が不安定で収入が安定しない、さらには、ほかに借金があり保育料まで支払う余裕がないなどの申し立てを多く聞いております。また、一度滞納すると、その後も繰り返される傾向がありますが、ここ数年は経済情勢を反映して新規の未納者もふえており、未納額増加の一因となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 支払いが大変だという原因にもなっているということでありますけれども、保育料につきましては、先ほども言いましたけれども、皆さん御存じのように前年分の所得税額を基本として決められておりますので、ある程度の収入に応じた保育料ということでございますので、それでもほかに支払いがあるとかなにかというのは、なかなか本当にどうなのかなという感じを受けているところでございますけれども、それでは、ここで市内の地区別の未納の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育料の徴収については、7つの地区保健福祉センターで実施しておりますが、平成17年度末の状況で申し上げますと、市平均の徴収率が94.04%であるのに対し、徴収率の低い地区は、低い順から四倉・久之浜大久地区が91.39%、常磐・遠野地区が91.56%、勿来・田人地区が91.76%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) さきの給食費のところでも伺いましたけれども、平成17年度において、本市職員において未納があるかどうか、これも念のためにお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市職員による未納はございません。 ◆1番(蛭田源治君) ここで、保育料の納入方法について伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 口座振替と納付書による納入の2つの方法があり、平成18年12月現在の入所児童数で見ますと、口座振替が約66%、納付書による納入が約34%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) 本市の保育料の未納状況を確認させていただきましたが、これだけの額、約7,500万円以上未納になっているということは大きな問題であると考えます。それでは、こうした状況にあって、どのような対策を講じているのか何点か伺います。 未納額があるということは、歳入に不足を来すことになりますが、本市では、未納による不足分はどのように対応しているのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育料の未納については、電話催告や訪問徴収はもとより、分割納付や督促等可能な限りの納付指導を行っているところですが、最終的に未納となった分については、市の一般財源から補てんすることとなります。 ◆1番(蛭田源治君) 給食費と同じく一般財源で一時立てかえることになるということは、やはり、公正・公平な事業運営のためにも、未納を解消する取り組みが今以上に必要であると思われるところであります。そこで、現在の未納解消対策についてお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育料の未納解消に向けての取り組みについては、地区保健福祉センター職員による電話催告や訪問徴収などに加え、平成10年度からは、公立の保育所長を分任出納員に任命し徴収業務に当たらせております。また、平成11年度から口座振替を実施し、平成12年度からは、毎年、保育料滞納整理特別強化期間を設け、保健福祉部管理職による訪問徴収を実施しております。さらに、平成13年度からは、保育料徴収相談員を4人配置し徴収を強化してきたところです。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、未納解消対策の成果についてどうだったのかお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成12年度において、未納額は約1億4,400万円でありましたが、平成14年度には約1億1,100万円に、平成17年度には先ほどお答えしましたように約7,500万円となっており、この5年間で未納額は半額近くとなっております。 ◆1番(蛭田源治君) 大分、未納解消の効果が出ているということでございますけれども、ただ、まだ7,500万円以上が残っているということでございます。今後、さらに未納の解消対策を強化していく考えはございますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) ただいま答弁させていただきましたとおり、未納額はこの5年間で半額近くになっており、今後も、これまでどおり粘り強く納付指導を実施してまいりたいと考えております。なお、特に現年度分の徴収率が減少していることから、保育所長による納付指導の強化を図るなど、現年度分に係る未納解消対策を重点的に行っていく考えであります。 ◆1番(蛭田源治君) さきの給食費のところでも聞きましたけれども、保育料の未納問題について、本市での法的措置の考え方についてお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育料については、児童福祉法第56条第10項に基づき、地方税の滞納処分の例により処分することができることとされており、悪質な未納者に対しては、当該規定に基づき、給与や預貯金の差し押さえをもって対処することとしております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、その法的措置の実施についてはどうかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 給与や預貯金の差し押さえの実施につきましては、金融機関や勤務先へ照会した結果、差し押さえに至る前に納付される場合や差し押さえできる資産がないなどの場合もあり、実際に差し押さえに至ったケースは平成14年度の1件であります。 ◆1番(蛭田源治君) 保育料の未納問題の現状について伺ってきましたが、徴収に努力していることはよくわかります。それにもかかわらず、依然これだけの額が未納であることなので、徴収にあらゆる手法を考え、また、例えば、入所するときに今はだれも保証人つけていませんが、県立高校で入学するときは保証人をつけます。それと同じように、保育所に入所するときには保証人をつけるとか、そういういろいろ考える点が多くあるかと思います。そして、納入している保護者と納入しない保護者とに不公平が生じないよう、さらに未納の解消に努力をお願いするところであります。 学校給食費、幼稚園の授業料、そして保育所の保育料と、それぞれの未納状況をお伺いいたしました。こうした未納が増加している背景には、さまざまな要因が存在しているものと思われますが、真に経済的理由をもって納付が困難な世帯に対しては、助成制度のあるものについてはその制度活用を適切に周知・促進され、また一方では、安易に未納とならない規範意識の高揚を図るなど、子供たちの心身の健全育成に寄与するこれらの事業運営に支障を来さぬよう、最大限の努力を要望いたしまして、次の質問に移ります。 次の大きな質問は、勿来の関公園についてであります。 勿来の関公園には、地元の市民の方々がボランティア活動などでいろいろとかかわっています。その中の一つに県立勿来自然公園を守る会があり、公園内の清掃や松のこもかけ、小道の整備などの活動を行っています。この会はさらに、桜の花をウソの被害から守ろうと、木酢液、これはキクノールでございますけれども、これを散布したりしております。 ウソは、スズメより少し大き目の小鳥で、夏は山間部にいて、冬に平地部におりてきます。木の実や木の芽を好み、桜の花芽、つぼみなんかですけれども、ついばんで食べてしまいます。この鳥が群れをなして飛来すると被害が大きく、花の数が激減してしまうそうであります。この会のメンバーの方の話によりますと、暖冬により桜のつぼみも例年より早く膨らんだけれども、ウソの来るのも早かったと。木酢液を散布する前に、もうウソの被害に遭っていたとのことでございました。 勿来の関公園の桜は毎年ウソの被害に遭っているそうですが、ことしは被害が大きく、桜の花は少ししか咲かないのではないかと心配しておりました。こんなところにも、ことしの暖冬の影響があるようでございます。 さて、勿来の関公園の整備事業は、平成13年度から平成22年度までの事業期間で再整備を行っていますが、この事業のメインになります体験学習施設については、平成16年度に着手し約4億5,000万円の事業費をかけ今年度末にいよいよ完成し、4月に供用開始となります。このことは、今定例会の市長提案要旨説明の中にも組み込まれておりまして、施設機能を存分に活用した各種事業を展開しながら、魅力あふれる地域づくりの活動拠点として、また、地域文化の情報発信拠点としての活用に、地元はもとより、本市全体で大いに期待されるところであります。 さて、1点目の質問は、完成間近の体験学習施設についてであります。 私は、昨年の6月定例会の一般質問の中で、この体験学習施設に名称をつけられるよう提案・要望したところでありますが、広く公募したとお聞きいたしました。 それでは、質問しますが、まずこの施設の名称募集の方法についてお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 勿来の関公園体験学習施設の名称募集につきましては、当該施設を広く市内外にPRし、また、利用者に親しまれる名称とするため、昨年11月1日から12月15日までの期間において、広報いわきや市ホームページ、全国誌である月刊公募ガイドへの掲載、さらには、市内のすべての中学・高校へチラシやポスターの配布などを行い、多くの公募に努めてきたところであります。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、応募数についてどのくらいあったのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 名称応募総数につきましては793点となり、市内から304点で全体の約4割、市外から489点で全体の約6割となり、遠くは北海道から九州まで、幅広い地域から応募が寄せられたところであります。 ◆1番(蛭田源治君) 名称募集したことにより、勿来の関公園を初めこの施設を広くPRでき、一応の成果があったと感じているところです。特に、市内が4割、市外が6割と、広く全国にPRできたのかなと感じているところでありますけれども、名称の発表はどんな方法で行うのかお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 名称の発表に当たりましては、まず応募のありました793点につきまして、勿来地区のNPO法人勿来まちづくりサポートセンターを初めとする勿来ひと・まち未来会議や、県立勿来自然公園を守る会、勿来の関顕彰会などの各種団体が参加した勿来の関公園整備事業検討委員会において、最優秀作品1点並びに優秀作品2点が選定されたところであります。今後は、これらの作品について、類似名称の使用等がないかどうか確認をした上で、本年4月15日に開催の体験学習施設のオープニングセレモニーにおいて発表する予定であります。 ◆1番(蛭田源治君) そうすると、どんな名前になるのか、オープニングが非常に楽しみになるわけでございますけれども、また、この施設の供用開始も心待ちになってくるわけですけれども、ただいまもありましたオープン時の企画・内容についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 体験学習施設オープン時の企画につきましては、勿来の関公園整備事業検討委員会と市が協働で検討を重ねてきたところであり、その企画内容につきましては、4月15日のオープニングセレモニーにおいてのテープカットや施設名称の発表などとあわせて、ことし20回目を迎える勿来の関歌会、著名な短歌の先生による講演、さらには、郷土芸能で祝いの席に披露される大黒舞や、国指定重要無形民俗文化財であります御宝殿熊野神社の五穀豊穣を願う稚児田楽・風流等の実施、また、5月中旬には、本施設にふさわしい日本古来の音楽である雅楽の演奏や勿来地区の郷土芸能などを披露する予定としております。 ◆1番(蛭田源治君) この施設がオープンしましたら利用についてはどこに申し込むのかとか、利用料金は幾らか、管理はどうするのかなどと気にしている市民の方が多いところですが、供用開始後の窓口業務を含めた維持管理についてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 体験学習施設のオープン後の維持管理につきましては、勿来の関公園の指定管理者である財団法人いわき市公園緑地観光公社において、施設の開閉業務はもとより、清掃、機械設備の保守点検など、施設全般にわたる維持管理を行う予定としております。 また、窓口業務につきましては、各種イベントの開催など施設を独占して利用する場合には、許可申請窓口として当該公社及び本施設に隣接する勿来の関文学歴史館を予定しております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、体験学習施設に管理人は常駐はするのかしないのか、その辺伺いたいと思います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) おただしの体験学習施設の管理人の常駐につきましては、当該施設の管理が施設の開閉、清掃、定期的な巡回等々の簡易な業務であることや、夜間には機械警備により施設管理を行うこととしていることなどから常駐は考えていないところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) 実は、皆さんも御存じかと思いますけれども、勿来の関公園は夜になると人通りは全くなくなりまして、車の往来もほとんどありません。そんなことから、今までに不法投棄などもありまして、また、最近はどういうわけか猫を捨てていく方が多いんですね。その猫が公園内に野良猫としてすみついてしまって、今あっちこっちで姿が見かけられるわけなんですけれども、体験学習施設がオープンしてからそこにすみ込んでしまっては大変困ると心配するところであるわけなんです。 そのほかにも、この施設には回遊式のきれいな前の庭園もできてきましたけれども、それから周囲には門・築地塀などが設置されております。そこをいたずらされたり、塀に落書きでもされたら大変ですので、監視も含めた管理人の常駐が私は必要になってくるのではないかと思っているところであります。これは要望となりますが、現状をよく把握の上、ぜひ御検討くださるようお願いいたします。 2点目の質問は、勿来の関公園にあります勿来の関文学歴史館についてであります。 勿来の関文学歴史館では、昨年3月から来館者へのアンケートを実施していると聞いております。アンケートを始めて1年近くになりますが、まずその集計内容についてお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 勿来の関文学歴史館におきましては、施設運営の参考とするために、来館者へのアンケート調査を実施しております。平成18年4月1日から平成19年2月20日までに御回答いただいた292件の集計によりますと、来館者の出発地といたしましては、関東・甲信越地方が最も多い約51%、次に市内が約32%であり、来館のきっかけといたしましては、友人・知人を通してが約14%、新聞・雑誌の記事を通してが約11%、また、来館の回数につきましては、初めての方が約77%などとなっております。また、その他の感想・要望等といたしましては、よかった点として、常設展の展示にいろいろな仕掛けがあり子供と一緒に楽しめたや企画展の内容がよかったなどの意見があり、改善すべき点として、照明が暗く、展示が見にくいや地元の歴史についての展示をふやしてほしいなどの意見をいただいているところであります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、そのアンケート内容から、今後の勿来の関文学歴史館のあり方をどのように考えるか、お伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 今後、アンケート調査などを参考としながら、来館者の多い関東・甲信越地方への宣伝の充実、学芸員によるわかりやすい展示解説やワークショップの開催によるリピーターの確保、館内の照明の改善などを行うことにより、年間を通じて入館者の増加を図られるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 勿来の関公園では、来月体験学習施設が供用開始し交流人口がふえると予想されています。また、公園のイメージも大きく変わってくると思いますが、勿来の関文学歴史館は体験学習施設のオープン後、それとどのように関連させていくのか、市当局の御所見をお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 勿来の関文学歴史館の入館者の増加を図るためには、それぞれの施設の特徴を相互に生かし、相乗効果を発揮できるように連携を十分に図りながら運営していくことが重要であると認識しております。 平成19年度の勿来の関文学歴史館におきましては、勿来の関を訪れた人々・お香・和歌などをテーマとする企画展を開催する予定でありまして、これらの企画と関連したワークショップやイベントなどを体験学習施設を会場として実施することなどによって、入館者の増加につなげてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 同じ勿来の関公園内にあっても、体験学習施設と勿来の関文学歴史館は市当局の所管部が異なっております。体験学習施設のオープン後、今まで以上の交流人口の拡大が図られると思います。2つの施設に関連性を持たせ、そして連携して運営し、訪れた人に満足してもらえるよう、また、感動して何度も訪れていただける公園になるようにと願っているところでございます。体験学習施設の供用開始後、この公園全体が本市南部地区の文化と観光の拠点になることに大きな期待を寄せながら、次の質問に移ります。 次の大きな質問は、農業施策についてであります。 ことしの冬は、冒頭に述べましたように記録的な暖冬でありました。その影響を受け、冬野菜は大豊作になり、反面、価格が大暴落してしまいました。価格の維持を図るため、白菜や大根の産地では、収穫前の畑にある作物をトラクターで耕したりしてしまうといった光景がテレビのニュースなどで報じられました。これは、野菜生産出荷安定法に基づき、青果物の販売価格が著しく低落した場合に、あらかじめ積み立てた準備金から補償交付金を交付することにより、生産農家の経営安定化を図ることなどを目的とする指定野菜価格安定制度によるものであります。このニュースを見た方は、もったいないなとか思ったかもしれませんけれども、農家も農作物の価格の維持に大変苦労しているということであります。 さて、1点目の質問は、この暖冬による農作物の影響についてであります。 まず、本市における農作物への影響についてどうなのか伺います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 暖冬による農産物の影響につきましては、本市の冬の基幹作物であるトマト・イチゴ・ネギに病害虫の発生が多くなっております。特に、露地のネギについては、暖冬により病気が長引くことで、その対策に苦慮しており、さらには、季節料理である鍋物の需要の減少により販売単価の低下を招くなど、生産と消費の両面で大きな影響を受けております。しかしながら、施設園芸においては暖房費が低減されることなど、よい影響も出ている状況であります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、次に、暖冬による今後の本市の農作物への影響はどのようなことが考えられるかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 現在、収穫最盛期を迎えておりますイチゴについては、暖冬により小玉で着色が進むなど規格低下を招くこととなり、販売単価に影響するものと考えております。また、本市のナシは、例年4月下旬に開花しておりますが、本年は暖冬のため2週間程度早く開花すると予想されており、その花芽に対する遅霜の被害を特に懸念しているところであります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、その考えられる影響に対する対応策についてお示しください。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 暖冬に対する対応策といたしましては、本年2月19日、市のホームページであるいわき市農業情報センターに、暖冬による農作物の影響と技術対策についてを掲載し、農家への啓発活動を行うなど、被害予防に努めているところであります。特に、遅霜の被害を受ける危険性が高いナシについては、指導機関である県の農業普及部と連携を図りながら、JAいわき市梨部会を通じて技術対策などを指導してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 農業は、冷害でも暖冬でも、つまり、天候に大きく影響を受ける産業であります。今後とも、市当局の異常気象への適切な素早い対応をお願いするところでございます。 2点目は、米の生産調整についてであります。 米の生産調整は、農業政策にとっても農家にとっても、大変古くて、新しい大きな問題であります。生産調整面積の農家への本格的な配分は昭和46年からで、それからもう実に36年が過ぎようとしています。 平成19年度のいわき市の生産目標収量配分率は57.8%でありまして、つまり、転作率は実に42.2%にもなるわけであります。市内の一般的な農家の水田の面積の4割以上が米をつくれないわけでありますが、米の生産調整の問題につきましては、昨年2月の定例会におきまして詳しく質問したので、今回は今までの政策と変わった点についてだけ質問していきたいと思っております。 まず、平成19年度から米の生産調整は、国の農業政策の経営所得対策等大綱の中で、米政策改革推進対策として実施するということでありますが、仕組みとして大きく変わった点をお示しください。
    農林水産部長(高木直昭君) これまでは、国が全国の米の生産量を決め、県を通じ市町村が農業者へ生産目標数量を配分し、これを受け、農業者は配分された数量の範囲内で米の生産をしてまいりました。平成19年産からは、国が算定した翌年産米の需要量に関する情報が県・市町村・地域の協議会を通じ、JAなどの農業者団体に提供されます。これらの需要量に関する情報を踏まえ、JA等の農業者団体がみずからの生産目標数量を決定し、農業者へ生産目標数量の配分を行うこととなります。 ◆1番(蛭田源治君) そうすると、米の生産数量配分は、平成19年度から農業者の団体になったということでありますが、本市はその農業者団体と今後どのように連携していくのか、その取り組みについてお聞かせください。 ◎農林水産部長(高木直昭君) この新たなシステムは、これまで市町村が行ってきた生産目標数量の配分業務をJAが担うことや、生産調整の実施状況の確認業務を地域の協議会が実施することを基本としております。したがいまして、これまで市が培ってきた生産目標数量の配分業務やこれに付随するさまざまな業務のノウハウを、JAへ円滑に移行する必要があると考えております。 また、今後も地域の協議会の役割が今まで以上に重要となるため、市は、この地域の協議会の中でJA等の農業者団体と連携しながら、新たなシステムが円滑に機能するよう、指導・助言に努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 生産調整目標達成は、現在大変厳しい状況にあるわけですが、平成17年度は達成率が75.05%、そして平成18年度は69.27%と、ついに70%を切ってしまったわけでございますけれども、今後、その目標の達成に向けての本市の支援策についてお伺いいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 市といたしましては、これまでも国の産地づくり交付金等を活用し、転作作物の作付に対し助成するなど、生産調整の取り組みを支援してまいりました。平成19年度以降につきましては、産地づくり交付金に加えて、新需給調整システム定着交付金などの新たな支援策が設けられますことから、今後もこれらの支援策を活用し、JAなどの関係団体と連携しながら支援してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 米の生産調整は、ただいまの答弁にありましたように、平成19年度から農業者と農業者団体を主体とした新しいシステムに変わるということでございますが、つまり、米の需給調整は生産者みずからが行うようにということだと思います。私は、米の生産調整は何十年と国の政策で行ってきましたが、行き詰まってきたので生産者みずからが行うようにと、JAなどの農業者団体に押しつけてきたのではないかと感じているところであります。 最近、地方自治体の中には、農業者と農業者団体が主体を口実に、米の需給調整をJA任せにしてしまうような動きがあるようでございますが、地域農業の振興は地方自治体の重要な役割でありまして、米の計画的な生産はその第一歩であると思っております。行政の後退は重大な責任放棄と言わざるを得ません。JAや地方自治体を含めた地域全体での米の計画生産への取り組みが必要であると思いますので、本市においては、仕組みが変わる今後も行政と農業者団体とが連携して米の生産調整に取り組んでいってほしいと強く要望するところであります。 3点目の質問は、農地・水・環境保全向上対策についてであります。 今、各地域では、農家人口の減少や高齢化、耕作放棄地の増加による集落機能の低下に伴い、農地や農業用水等の資源について適切な保全管理が困難な状況になってきております。これらを適正に保全管理するため、地域ぐるみでの効果の高い共同生活を支援するのが農地・水・環境保全向上対策であり、平成19年度から本格的に実施するということでございます。 それでは、平成19年度から本市において取り組もうとしている活動組織についてお伺いいたします。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 現在、集落単位を基本に27地区、ほ場整備事業実施地区を基本に3地区、用水の水がかりを基本に3地区、旧大字を基本に1地区の34地区が希望しております。 ◆1番(蛭田源治君) 30地区以上がこれを実施するということでございますけれども、最後に、来月4月から本格的に実施していくことになりますが、これらの活動組織に対して本市としてはどのように支援していくのかお聞かせください。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 市は活動計画を作成し、協定を締結した組織に交付される活動資金の一部を負担することとなります。また、活動計画に基づいた実施状況についての確認や指導・助言を行うなど、活動組織との連携を図り、事業の円滑な推進に努めることとしております。 ◆1番(蛭田源治君) 事業の導入を契機に、集落全体が農村の持つ多面的機能をもう一度見直し、そして多くの市民が求めている安らぎの場でもある農村環境の保全と農業の持続的な発展に大きく寄与することを大いに期待しながら、私の一般質問を終了いたします。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時40分まで休憩いたします。            午後3時31分 休憩           ------------            午後3時40分 開議 △猪狩勝省君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 33番猪狩勝省君。          〔33番猪狩勝省君第二演壇に登壇〕 ◆33番(猪狩勝省君) (拍手)33番、新風みらいの猪狩勝省です。 私はさきの定例議会でも病院問題に絞って一般質問を行ってまいりましたが、全国的に地域医療を取り巻く環境はますます悪化をしており、まさに、地域医療崩壊の危機と言えるような状況になっております。 このような中、病院関係者といろいろお話をしてまいりましたが、総体として言えることは、過酷な勤務実態にもかかわらず、医師の使命感を持って一生懸命に取り組んでいるということであります。そして、我々は、このような先生方が燃え尽きることのないように、しっかりと支えていかなければならないと改めて感じたところであります。 それは、医師を大切にするということであります。医師の心にしみるような手だてを講じることが何よりも必要であります。今まで、大学医局の医師の引き揚げにとかく目が行きがちでありましたけれども、こういった部分について改めて認識することが必要であると思う次第であります。以下、このような観点から、質問通告順に従いまして順次お尋ねをしますので、病院で働く医師の真情に触れるような明快な御答弁をお願い申し上げたいと思います。 まず最初に、大きな1番目ですけれども、市立病院を取り巻く労働環境問題についてお伺いをいたします。 1つ目は、医師の超過勤務手当についてでありますけれども、新聞報道によりますと、福井県立病院では、福井労働基準監督署から指導を受けて残業代約1億4,800万円を年度内に支払うとのことであります。また、奈良県立奈良病院では、産婦人科医5人が、2004年、2005年の超過勤務手当の未払い分として、計約1億円の支払いと医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかりました。医師らは、報酬に見合わない過酷な勤務を強いられていると訴えております。要求が拒否された場合は提訴も検討する方針とのことであります。医師の1人は、1カ月の超過勤務が100時間を超えております。医師の体力は限界に近いと訴えているとも書いてありましたが、市ではこのような報道があったのを把握されているでしょうかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいまの新聞報道につきましては、議員の一般質問の通告を受け、資料等の調査を行い承知をしたところであります。 ◆33番(猪狩勝省君) それでは、どのようなことを感じられたでしょうかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) いずれの報道も、過去の超過勤務とこの手当の支給に関する報道でありまして、現下の勤務医の厳しい勤務の状況に係る報道、このように認識をいたしました。 ◆33番(猪狩勝省君) さきの定例会で、医師の時間外労働時間数をお尋ねしましたところ、脳神経外科の医師で168時間、消化器科の医師で121時間、泌尿器科の医師で92時間などとなっておりますとの答弁をいただきました。この時間数について、市ではどのように受けとめているのでしょうかお尋ねいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) それぞれの診療科の特性にもよりますが、ただいま議員がお触れになりました診療科は、いわゆる術後の管理等によりまして時間外の勤務が大変必要になる要因がございますが、市立病院あるいは共立病院全体としまして、総体的にいわゆる医師不足が深刻化している中で、限られた医師数により課せられました救急医療や高度医療など、市立病院に期待されるこの医療提供を行うためそのような対応をせざるを得ない状況になっているものと受けとめております。 ◆33番(猪狩勝省君) 労働の今の実態から、やむを得ずそのような形で労働に従事しているということでありましょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) こういった医師の過酷な状況を解消するためには、何よりも医師の手当てが先決でありますが、その対応策が残念ながら今十分にとられていない状況にありますので、やむを得ずそのような対応をしておるところでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) ただいまの時間数につきましては、平成18年11月の勤務実績についてでありましたけれども、その後はどうなっているのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 昨年の12月定例会で御答弁いたしましたこれら診療科における平成18年12月及び本年1月の実績のうち、最も多い時間数を比較いたしますと、まず、救命救急センターの当直・日直を除く時間外労働時間につきましては、11月実績の43時間に対しまして12月が89時間、1月実績が67時間であり、脳神経外科につきましては、11月実績の168時間に対しまして12月も同時間、1月が204時間であります。また、消化器科にありましては、11月実績が121時間に対しまして12月が96時間、1月が113時間、泌尿器科にありましては、11月実績92時間に対しまして12月が80時間、1月が94時間となってございまして、それぞれ長時間にわたってございます。 ◆33番(猪狩勝省君) ただいまの答弁を聞きまして、総体的に改善されていないと。診療科によっては若干よくなっているところもあるけれども、月がかわるとまた、今までよりもむしろ余計に労働時間が多くなっているという実態が明らかになったのかという感じがいたします。 それでは、厚生労働省から、脳・心臓疾患の認定基準、いわゆる過労死の認定基準が示されております。これによりますと、発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2カ月ないし6カ月にわたって、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断することとあります。過労死の危険性が高まるわけであります。 市では、このような認定基準を踏まえ、答弁後、このような長時間の時間外労働に対しどのような対応をとられたのでしょうかお尋ねをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院に課せられました急性期医療・高度医療などの役割を果たすため、医師不足の解消が図られていないために、やむを得ず引き続きましてそれまでと同様の勤務状況にあり、診療に従事している現状にあります。 ◆33番(猪狩勝省君) 長時間の時間外労働したこれら医師の当該時間外労働時間に対しまして、どのような手当が支給されたのでしょうかお尋ねをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院におきましては、実は昨年11月からそのような状況をかんがみまして、医師の処遇改善の一環といたしまして、勤務時間に連続した医療行為等を行いました医師に対しましては、1時間当たり3,000円の出動料を支給いたしております。 ◆33番(猪狩勝省君) 勤務実態に見合った超過勤務手当を支給しないことは労働基準法違反になると思いますけれども、市ではどのように認識をされているのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医師に対しましても、そのような労働法規等の適用を当然に受けるわけでございまして、対応した労働の対価としての手当は当然に支給すべきものと考えてございます。 なお、ただいま答弁申し上げました出動料につきましては、勤務時間を超えて医療行為等を行った場合につきましては、昨年の11月からではございますが、その見合う勤務実績を反映して全額の支給を行ってございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 医師については、現在、科長以上の職にある者について管理職手当が支給をされておりますが、管理職とは労働条件の決定や労務管理について当局側と一体の立場で病院経営に当たる者であることから、これを見直しし、超過勤務手当の支給対象者をふやすことも必要であると考えますけれどもいかがでしょうかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 給料の特別調整額、いわゆる管理職手当でございますが、議員が今お触れになりましたとおり、この手当は、管理または監督の地位にある職員の職務の困難性や特殊性に基づき支給されているものであります。一方、勤務時間外の医療行為等を行った場合に、現在、市立病院において支給してございます出動料と申しますのは、部長、科長等の職位にかかわらずその勤務実態に応じて支給することとしておりますので、それぞれの手当は基本的にその性格を異にするものでありますことから、現行の取り扱いをさせていただきたいと考えております。 ◆33番(猪狩勝省君) ただいままでの質問そのものは、労働環境が厳しいという現実を踏まえて質問させていただきました。 さきの矢吹議員の代表質問の中でも、医師不足や看護師不足が深刻になっている中にあって、経営改革を行うためには医療資源の有効活用は極めて重要であると考えていることから、医師を初め薬剤師、看護師等の医療技術者、病床や医療機器などの医療資源の有効活用はもとより、あらゆる取り組みの中で選択と集中の視点を基本に据えて取り組んでまいりたいと考えておりますという答弁がありました。 私は、今の労働環境が厳しいという実態に基づいての質問をしたわけですけれども、しかし、労働実態とあわせて、やはり現場とそれから当局側と心の通じる部分というのが必要なのかなということで、今までの市立病院問題の質問の中でも、再三にわたってそういうことを踏まえての質問をさせていただきました。その中で、私自身はすごく気になる点があるわけですけれども、その答弁の中に、医師不足の状況の中、過酷な勤務を続けている医師を有効活用するという、その有効活用という部分を使ったり、また、そのほか医師不足についての医師の活用とか、物に例えるような部分が再三にわたって答弁の中に出てきているような感じをいたします。やはり、医師であれば招聘するとか、礼儀を尽くして招き入れるというようなことも、私は現実の問題としてそう対応していくことでお互いの心の部分でのつながりというのが出てくるのかなということを感じているところであります。 改めてお尋ねしたいと思いますけれども、過酷な勤務を続けている医師を有効活用するというのはどういうことなのか、具体的にお伺いしたいと思います。 ◎市長(櫛田一男君) お答えいたします。 議員おただしの医師を物に例えたようにお受けとめいただいたとすれば、これは大変失礼なことでありますので改めさせていただきたいと思いますが、現時点での市立病院の内容等々は、もう、議員ライフワークとして取り組んでおられますので既に御承知のとおりであります。さて、それならばどうやってこれを脱却するかという、今、過渡期にあるわけであります。したがいまして、少々のいろんなところの汗のかき方で、どういうふうにでもなっていく状況まで追い込まれている、この市立病院経営についてのこの現状を切り抜けるために、我々としては今、大変な時間・空間を通過しているわけであります。ぜひ、豊かな経験をお持ちの議員にも、この辺のところ、御相談に乗っていただきたいと思います。 そして、労働時間、それから労務者というんじゃないですかねあれは、労働者としての医師の時間外勤務、これをもたらす要因はいろいろあろうかと思いますが、共立病院が本来持つべき救急医療以外のものでも相当入ってきております。この以外の部分が相当数の時間をプラスに追いやっているという一つの側面もありますので、ここの辺のところは、医師不足の現状にかんがみながら、新たにこの病院で診療する者、それから市内の病院で診療する者、これを今市民の皆様方にもお願いをしながら進めていくところでありますので、今、過渡期だということを御認識いただきまして、しばらくの間、そこのところをフォローアップしていただければと思っております。 最初申し上げました医師に対して、医療資源とか物に例えたように聞こえたとすれば、それは誤りでありますので、ドクターということに置きかえて、これから言わせていただきたいと思います。 ◆33番(猪狩勝省君) 市長から今、過渡期だということで、そういうことについては私自身も重々理解しているわけですけれども、やはり過渡期でなくても、今すぐに対応できる部分というのが先ほどの私が気になった部分でありますので、それはそれとして、きちっと真心が伝わるような対応をしていただきたいと改めて申し上げておきたいと思います。 そこで、現場の医師からなんですけれども、勤務実態に見合った給与制度にしてほしいというお話も聞きます。働いた分だけ超過勤務手当を支給することは医師を大事にする第一歩でありますので、そのことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 2つ目です。医師の宿・日直についてお尋ねいたします。 医療機関における宿・日直については、その許可基準の中で、常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、病院の定時巡回、少数の要注意患者の検脈・検温等の特殊な処置を要しない軽度の又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ることとされているとのことであります。 宿・日直の回数については、宿直勤務は週1回、日直勤務は月1回を限度とするとされておりますけれども、病院における医師の1カ月当たりの宿・日直数はどのようになっているか、診療科ごとに最も多い医師についてお示しをいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 本年1月の実績で申し上げますと、救命救急センターに勤務する医師で13回、麻酔科で8回、循環器科で5回、小児科で4回、その他の診療科は3回未満となっております。 ◆33番(猪狩勝省君) 平成17年4月と比較してどのようになっているのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 前年度同期との比較で申し上げさせていただきます。すなわち、平成18年1月の実績で申し上げますと、救命救急センターに勤務する医師では15回でした。それから、麻酔科が10回、小児科で4回、その他の診療科は3回未満となってございます。現在、神経内科を初めとする内科系の医師不足が顕著でございまして、そういった関係から、循環器科あるいは消化器科等の医師の宿・日直回数が現在ふえている傾向にございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 宿直勤務については、夜間に十分な睡眠時間が確保されなければならないこととされておりますけれども、実際はどうなのかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院における医師の宿直勤務におきましては、入院患者の容体の急変、重篤な患者さんの来院及び救命救急センターへの来院患者さんが多い場合などにおきましては、実は必ずしも十分な仮眠がとれる状況とはなっていない現状にございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 宿・日直勤務中に救急患者の対応等が頻繁に行われ、夜間に十分な睡眠時間が確保できないなど、常態として昼間と同様の勤務に従事する場合には、宿・日直勤務で対応することはできないこととされております。病院で実際に行われている宿・日直について、市では許可基準に照らし、どのように認識をしているのかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院の宿・日直の医師数で申し上げますと、救命救急センターに勤務する医師が2名のほかに、救急外来に内科系・外科系・小児科の医師等が合計8名であり、平成17年度の救急統計によりますと、午前零時から午前8時30分までのいわゆる深夜帯救急患者数は、平均ですが1日当たり16.8人となっております。 このようなことからいたしますと、宿直の深夜勤務時間帯に必ずしも、常態として昼間の通常のような勤務ではないとは考えておりますけれども、こういう実態を勘案すれば、医師の当直勤務を含めまして、極めて厳しい勤務状況にあるものと認識してございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 宿直に従事した医師は、宿直明けの翌日通常勤務に従事しているのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 原則的には、当直勤務は仮眠をとることとしておりますことから、通常の勤務に従事をしております。 ◆33番(猪狩勝省君) 医療機関の宿・日直については、全国的に労働基準監督署による調査が行われたと伺っておりますけれども、本市ではどうだったのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院では、平成14年に文書照会による調査がございました。 ◆33番(猪狩勝省君) その結果はどうだったのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 結果等につきましては、アンケートのような形式での照会・回答事項でございましたので、当時の常態について御回答申し上げ、このような勤務実態は当時もございましたので、いわゆる過密勤務的な状況については是正されたい旨の当該基準監督署からの指導等がございまして、病院長名をもって、あるいは口頭等の実態説明を申し上げまして、改善をされるようにという口頭の御指導を現在まで受けているところでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 平成14年に改善するようにという指導を受けたということですけれども、実態はそういう状況にはないということでありますね。現在に至っているわけでありますので、その辺のところも加味しながら、きちっとした改善を図っていただきたいと思います。 医師が不足する中、従来のような形態で医師の宿・日直を行うことは、医師の負担をますますふやすことであります。また、宿・日直の許可基準に違反するような状態を継続することになります。疲弊する医師の負担を軽減する方向で、1病院だけではなくて、地域という大きい枠の中で大胆な見直しが行われるように要望いたしまして、次の質問に移ります。     〔「議長、ここのところはぜひ答弁させていただきたい」と呼ぶ者あり〕 ◆33番(猪狩勝省君) では、短くお願いします。 ◎市長(櫛田一男君) 今、その取り組みに端緒についているところであります。議員おただしの平成14年からむしろ悪化しているような状況でありますが、別に、病院部長が命令を出して医師に当直の無理強いをしたり、勤務を無理強いしている事実は全くございませんで、冒頭、議員がおただしになった医師の使命感というもので、医師みずからが進んでやっている現状であります。これは、感謝・感激のきわみでありますから、いつまでもこのような過酷な状態に置くわけにはいかないということで今取り組んでおりますので、ぜひ御協力を賜りたいと思います。 ◆33番(猪狩勝省君) 次に、いわき市医師会報についてお伺いをしてまいりたいと思います。 いわき市医師会報第427号に、「進行に歯止めがかからない市立病院機能の崩壊と地域完結医療の確保」と題する寄稿が載っております。いわき市医師会のホームページにも載っておりますけれども、拝見をいたしまして、これが医療現場の先生方の正直なお気持ちなんだなということを改めて感じました。 一部を紹介しますと、「周知の通り、多くの病院で医師の引き上げに遭遇して、診療科の閉鎖・縮小が相次いでいる。当地域の基幹病院であるいわき市立総合磐城共立病院も例外ではなく、今のままでは、その機能の喪失・崩壊は時間の問題と思えるほど危機的状況にある。精神医療以外の領域の地域の基幹病院として、磐城共立病院は入院医療、専門医療、救急医療、医師研修を使命とし発展し、機能してきた。しかし、皮膚科の常勤医引き上げを始めとして、呼吸器科、産婦人科、心臓血管外科、循環器科、神経内科と常勤医師の引き上げや削減が相次ぎ、小児科、放射線科も退職医師の補充が無いままで診療を続けている。地域の救急医療の最後の砦である救命救急センターにおいても人員減が続いており、循環器疾患、神経疾患の患者を引き継ぐ専門医療機能が不備では救命救急医療も崩壊する危機にある。市の担当者も知らない位であるから、多くの医師会員、ましてや利用患者、市民、市議会議員もこの実情については知らないと思われる。」、中略して「真の市立病院改革のためには、共通の現状認識を市民、市会議員、当事者ともに共有し、官民協力して、市民に愛され、職員、なかんずく勤務する医師に愛される病院への再生が喫緊の課題であると考える」。 果たして現場の気持ちにどこまで沿うことができたのか。市会議員の一人として考えさせられることしきりでありました。 以下、4月から地方公営企業法が全部適用されるに当たりまして、改めて質問させていただきます。 初めに、部ではこれを拝見されておりますでしょうかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいまの医師会報への掲載記事につきましては、拝見をいたしております。 ◆33番(猪狩勝省君) 拝見をされまして、どのような感想をお持ちでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 寄稿されている医師は、実は私どもの方の共立病院の現役の医師でもあります。また、同医師会の理事の立場にもある方であります。御自身の貴重な御体験をもとに、タイトルにもございますとおり、市立病院の果たしてきた役割とただいま議員がお触れになりました、まさにこの地域医療の厳しさを極めて強く訴えられておられるものと、我々、病院改革を推進する上で、まさに率直な現場の御意見、このように受けとめた次第であります。 ◆33番(猪狩勝省君) 私はこれを読んで、今回の病院改革は行政主導で進められ、現場の意向は十分酌み取られなかったと改めて感じたところであります。いかがでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院改革につきましては、これまで病院に出向きまして、両病院の院長、副院長等の医師、あるいは病院事務局職員で構成いたします現場の皆さんと、いわゆる診療体制等に係る打ち合わせを9回にわたって開催してございますし、その改革に当たっての組織や両院の役割分担等々につきましての協議も重ねてまいったところでございます。 さらに、今般お示ししました中期経営計画の策定に当たりましても、両病院の院長をトップとする病院の運営会議等々における御議論というものを相当踏まえまして、現場の御意向というものを十分に取り入れながら、実は市立病院部組織挙げましてこの改革を進めてきているものと認識してございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 今の部長の答弁が本当に大事なことだと思うんです。現場は、我々の意見がなかなか通じてない、こういう言い方なんです。でも、部長に聞きますと、今までの定例会の議会で私も質問を何回かしてきましたけれども、理解を得られていると思うということで、それで終わりなんです。ですから、私はどちらをどのように信用していいかということもあります。 ですから、ホームページでこういうふうに出てきているということは、まだまだやっぱり、これを最初から最後まできちっと読み上げますと時間がかかるから私はやめますけれども、やはり大変厳しい、そして率直な意見がこのホームページに載っているのかなと感じますので、そういうことのないように、改めてやはりその辺の御配慮をお願いをしたいと思います。 そこで、この中で、「病院は医療保険による医業収入で経営されるものである。官民ともに医療機関は、目まぐるしく改定される医療保険制度に迅速的確に対応し、収入を確保して運用、継続されているものであるが、市はこの医事部門を民間委託し、管理は出向してきている素人の市職員に任されている現状が続いてきた。当事者に医業経営のプロが存在しない経営が続いているのである。」と、このように書かれております。どのようにお感じでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 私どもといたしましては、病院事務局職員につきましては、事務事業の一部委託後におきましても、適切な人員配置を実施してきているところでありまして、今後とも、病院職員として必要な研修等を通じまして、その資質の向上や人材の育成に努めるとともに、適材適所の人事配置に意を用いてまいりたいと考えてございます。 ◆33番(猪狩勝省君) それでは、今回の事務職員の人事異動に当たって、どのような方針で臨まれているのでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医療を取り巻く厳しい環境の中で、本年4月から地方公営企業法の全部適用及び1市1病院2施設として、新たなスタートを切ることとなりますために、市立病院事業は、議員もただいま寄稿の引用の中でも触れられましたけれども、今後ますます、いわゆる企業的センスを持った経営が求められてまいりますことから、そういった点につきまして、使命感を持ち、経営的感覚を持った、いわばチャレンジ精神にあふれた職員を配置することを基本と人事では考えてございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 「また、職員数、病床管理においても、総定員を増やさない方針のため、産休・育児休暇の看護職員が数十人存在し、病棟運営が困難となった事態を受けても増員は認めず、大幅な休床などによる患者サービス低下を来たしている現状にある。市立の看護師養成施設を運営しながら、看護師不足の現状にある責任はどこにあるのだろうか。意識改革が真に求められるのは市当局ではないだろうか。」とあります。どのようにお感じでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院における看護師の採用につきましては、これまでも、退職者の状況、あるいは産休・育休等の長期休暇取得者の見込みを勘案いたしますとともに、看護体制等の年度間の見通しに立ちまして計画的に実施しているところでございます。 一方、ただいまの議員のお話にもありましたが、過去2カ年間におきましては、市立病院を取り巻く厳しい状況等を踏まえまして、患者数に見合った病床数への見直しなどの改善・改革を逐次行った時点でございまして、その意味で、看護師の採用数が一時的に減少しております。具体には、平成17年が3、平成18年度採用6と、こういうことをとらえての記述かと、このように理解してございますが、今後とも、市立病院の役割・機能を果たすために、ぜひとも必要な看護師を確保してまいる考えでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 医療スタッフの育成は一朝一夕にできるものではなくて、時間がかかるのは自明の理であります。団塊の世代の退職は既にわかっていることでありますから、今から計画的な採用が必要になってくるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今般お示ししました中期経営計画の第5章に定員管理に関する計画をお示ししてございます。すべて病院事業、労働集約型の事業でございますから、マンパワーに負うところは極めて大、また、今後の医療環境の動向もございますけれども、やはりこの医療を支えるのは、何よりも医療に携わる職員でございます。 お触れになりましたとおり、私どもの方の市立病院事業は団塊の世代よりももう少しおくれた世代の方が、実は向こう10カ年ぐらいにわたって大量に退職の時期を迎える状況がございます。したがいまして、これらを総合的に踏まえまして、病院の診療体制、これから担うべき機能、あるいは地域医療との連携システムをどうつくっていくか、こういう点を総合的に踏まえまして、各年度間の診療体制に見合った適正な看護師等の確保はもとより、中・長期的な視点に立ちまして、人材の育成確保といった視点、あるいは経営基盤の安定、この両面でそういった点に十分配意しながら対処してまいりたいと考えております。 ◆33番(猪狩勝省君) 大幅な休床状態というものは解消されるのでしょうかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 現在の市立病院の病床数につきましては、実は看護師の減少に限らず、どちらかといいますと、患者の皆さんの数の動態、減少傾向、そしてお医者さんの不足、こういった動向を踏まえてやむなく運用病床として設定しておるところでございまして、遺憾ながら、新年度におきましても現行の病床数による運用を当面行っていく考えでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) さきの質問とも関連いたしますけれども、「病院からの医師引き上げに関して、磐城共立病院は大学医局からどのように見られているのであろうか。地域の基幹病院として症例数は多く、医師の育成には適した病院として評価されてきた。しかし、慢性的な医師不足により、労働は激務で、精神的なストレス、訴訟のリスクも高く、それに比して医師の処遇は劣悪である。この病院に勤務して医局に戻った医師たちの評価が、その後の人事に影響していない筈はない。さらに、各診療科の医師不足は臨床研修医にとっては指導医不足と表裏一体であり、これから良い初期研修医に志望され、後期研修医として残ってくれる病院として生き残れるか危惧される。」とあります。 医師の処遇の改善だけでなく、過酷な労働環境の改善も焦眉の急です。果たして、今回の改革が、共通の現状認識を市民、市会議員、当事者ともに共有し、官民協力して、市民に愛され、職員、なかんずく勤務する医師に愛される病院への再生につながるものであると自負されているのでしょうか伺います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今回の市立病院改革に向けて行いました一般会計からの一連の財政措置は、本年4月からの地方公営企業法の全部適用や1市1病院2施設への移行を円滑に進めるための、いわば当面の対応として行ったものでございます。また、常磐病院の長期借入金の清算や懸案でございました累積欠損金等の整理もあわせて、それから不採算部門等への一般会計繰出金の充実、こういったものも市として可能な限り当面の対策を講じたところでございます。 今、議員がお触れになりました、あるいは寄稿文にもございますとおり、やはり病院の改革はひとえに今後は医師の処遇の改善でありますとか、地域社会全体、市全体をとらえて、お医者さん初め医療関係者が働きやすい、そういった環境の整備を図ることによりまして、初めてお医者さんの招聘がかなうと、そういう目的がかなうと理解してございます。 したがいまして、市病院事業中期経営計画の各般にわたりますこれらの目的に一生懸命取り組みまして、その着実な推進によりまして、ぜひともこの市立病院改革というものを軌道に乗せていかなければならないと、このような固い決意を持って、病院関係職員一丸となり、いわばたゆまぬ努力を重ね、中・長期的な展望に立ちましてこれに取り組んでまいる考えでございまして、決して自負しているものではございませんので、御理解を賜りたいと存じます。 ◆33番(猪狩勝省君) 4つ目の質問ですけれども、これは削除させていただきます。 大きな2番目です。いわき市病院事業中期経営計画についてであります。 平成19年4月1日に過去の累積欠損金を自己資本金を使って解消するとあるが、適切・妥当な方法なのかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今回の財務処理に関しましては、これまで市立2病院がそれぞれに行っておりました資金管理の一元化を含む実質的な経営統合でありますことから、いわゆる市町村合併のケースに準ずるものとの考えに立ちまして、両者の経営統合の期日であります本年4月1日に、自己資本の一部であります組入資本金及び繰入資本金でこれまでの累積欠損金を相殺いたし、これの解消を図ろうとしたものでございまして、先ほど御答弁申し上げましたが、改革に向けての当面の取り組みの一環として実施をしたものと理解しております。 ◆33番(猪狩勝省君) 御答弁を聞きますと、適切・妥当なということが含みとしてあるような感じがいたしますけれども、しかし、こういった手法が可能であるなら、どこの自治体でもなぜ採用されなかったのかお伺いをしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今回の対応につきましては、両病院の経営統合をとらえて財務上の整理として行うものでございまして、この手法に類する手法としまして、実は他地方自治体におきましても、市町村合併が昨今たくさんございまして、地方公営企業法による病院事業の統合が出てきてございます。この際に、この手法が実はとられてございまして、議員のこれまでの好間病院等々の事例等、あるいは先進事例の研究、こういった御質問、御提言、御意見、御指導も、本会議場等々を通しましてございました。一生懸命勉強させていただきまして、同様の手法がとれないかどうか、十分に中期経営計画を策定する中で検討いたし、今般、市町村合併による病院同士の合併に準ずるような取り扱いが可能であると、このような判断のもとに対応させていただいたものであります。 ◆33番(猪狩勝省君) 今回、自己資金を使って累積欠損金を解消する方法を採用しておりますが、この方法では資本の元手となる資本の額を一方的に減らすことになり、その関係が不明確になるのではないかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今回の対応措置でありますが、市立2病院の経営統合に伴いまして、累積欠損金と自己資本の一部であります組入資本金及び繰入資本金を相殺するため、議員がお触れになりましたとおり、自己資本金を減少させることとはなりますけれども、これはあくまでも財務上の処理でございまして、病院事業会計自身に帰属する財産であります資本の額及び資産、そして負債の額には変わりございません。 そういった意味におきまして、企業経営を直ちに圧迫するものではございませんで、また、その間の処理につきましては、財務諸表上明らかにされておるものでございまして、関係が不明確になるといった趣旨ではございません。 ◆33番(猪狩勝省君) 先ほど部長、好間病院の部分も触れましたので、その項については削除させていただきます。 次に、いわき市病院事業中期経営計画は、安定した経営基盤の確立を目指すこととしておりますけれども、平成19年4月1日に累積欠損金を解消するも、計画初年度である平成19年度から未処理欠損金が発生し、計画最終年度においても収支は改善せず、累積欠損金は39億6,700万円に達するとされている。果たして、これで安定した経営基盤の確立につながると言えるのかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市病院事業中期経営計画のこの計画期間におきましては、看護師を中心といたしました職員の定年退職者の急増等によります退職給与金の増嵩が多く見込まれますことから、この計画に基づき目標値等を設定いたしまして、さまざまな施策を推進した場合にありましても、計画期間内の単年度収支の均衡までには至らない状況にありますけれども、これらの改善策を施したことによりまして逐次改善効果が見られまして、こうした改革に向けた取り組みを継続してまいりますことによりまして、具体には次の中期経営計画の時点になろうかと思いますが、そういった中・長期的な時期におきましては、その改善効果が全体として行き渡り、単年度収支の均衡の兆しが見え、いきなりの黒字回復とはなりませんが、逐次安定化といいますか、単年度収支の改善が徐々に及んでいって、目標としてございますさまざまな指標、具体にはキャッシュフロー増が回りまして、現金残高も逐次上がってまいりますし、身の丈に合った投資にも心がけますので、企業債残高も一定水準に抑えられ、結果としては目指すところの安定した経営基盤の確立が次第に図られていくものと理解してございます。          〔「7分もあるから、私も少し」と呼ぶ者あり〕 ◎市長(櫛田一男君) 今、議員もちょっと触れましたけれども、未納金でありますが、これは給食費の未納金、さらには保育所・幼稚園の未納金と同じように、周産期医療で踏み倒していく人が相当数多いわけであります。これは、お腹がいっぱいになって今にも爆発しそうなところで担ぎ込まれれば、医師としてその使命感でやらざるを得ない。いつの間にかすっといなくなっちゃう、このケースが物すごい多いわけでありますので、この際でありますから、議会の皆さん方にも、ぜひその辺の御認識も賜りたいと思います。これも意外と多い数になっております。 そのほか、お産だけではなく、医療でやっとよくなってきたころ、お医者さんが病室にいったらもぬけの殻というのがかなり多いはずでありますので、この辺もあわせて御報告申し上げます。 ◆33番(猪狩勝省君) 7分もあると市長言いますけれども、7分しかないんですよ、もう。あと、私これからいっぱい質問したいと思ったんですけれども、それはそれでいいです。 それで、安定した経営基盤の確立ということで、部長の方からも考え方についての御答弁ありましたけれども、厳しいということについては変わりないわけです。そういった中、医師修学資金貸与制度を創設されておりますけれども、その創設自体は私は理解できます。ただ、その負担を病院事業に求めるということにいては、これはいかがなものかなということで考えさせられる部分が多々あります。 磐城共立高等看護学院については、病院では負担していないわけであります。同様に、一般会計で負担すべきではないかと思いますけれどもいかがでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 新年度に創設を予定してございます医師修学資金貸与制度につきましては、地域医療の観点もございますが、特に深刻であります市立病院における医師不足に対応するための、いわば直接的な施策展開でございまして、そういった意味におきまして、市立病院事業の会計の負担において実施をしようとするものでございます。むろん、中期経営計画に位置づけましたこの取り組みの一つということもございますし、中・長期的な育成策にはなりますけれども、お医者さんが市立病院に勤務していただくことによりまして、医業出資構造に大いなる寄与していただける意味合いを含めますと、政策の判断としまして企業会計の負担において対応するという判断に至ったものでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) 医師修学資金貸与制度について、病院事業会計に負担を求めることに関連してお尋ねをしたいと思いますけれども、このたびの地方公営企業法の全部適用、病院局長以下、経営企画室の職員についても、病院事業においてその人件費を負担すると伺っておりますが、その人数というのは何人くらいなんでしょうかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 具体のまだ配置人員が確定してございませんが、現時点での見込み・見通しで大変恐縮でありますが、基本的に、局長及び経営企画室の職員を含めまして10名程度と見込んでございます。 ◆33番(猪狩勝省君) その人件費の総額というのは、年間どのぐらいなんでしょうか。おおよそで結構ですので御答弁願います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 大変恐縮でありますが、今、直ちに試算するのには不確定要素がございますので……、超概算で恐縮でありますが、総事業費として約1億円弱。 ◆33番(猪狩勝省君) 最後に、病院建てかえについてであります。 1市1病院1施設に向けた検討を平成22年度までに行うこととしておりますが、これでは病院の建てかえは先の先になってしまうのではないか。災害医療に係る院内マニュアルの整備を平成19年度に行うとしておりますが、その前提として、地震等の災害においても、災害拠点病院としての機能を果たすことができるよう、病院の建てかえについて早急にすべきではないかお伺いをいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 市立病院の整備に当たりましては、中期経営計画におきまして、1市1病院1施設へ向けた取り組みとして具体の検討として位置づけたところであり、議員がお触れになった状況のとおりでございます。今後、病院事業管理者のもとで経営改善に努めますとともに、施設の老朽化等の状況を見きわめ、あるいは担うべき機能等の整理、こういった諸条件の整備を図りながら、お触れになりました災害拠点病院としての役割も含めて、総合的な観点からの調査・研究を進め、病院の建設に向けたその着手の時期等を総合的な観点から見きわめてまいりたいと考えております。        ------------------ △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 次の本会議は3月12日午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。            午後4時42分 延会           ------------...